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Memory of Night 2
第42章 入院生活

(いてぇ……)

 千鶴はふらつく足取りで、病棟を歩いていた。
 傷は痛むし、自分の体が信じられないくらいに重かった。ガラガラとうるさい点滴も邪魔だったが、前に一度勝手に抜いたら蒼くなった医師と看護師に「死にたいんですかああ!」と怒鳴られた。だから外せない。
 千鶴はまだ口から食物を接種できない。いろいろ理由も説明されたが、頭になど入らなかった。生きるのに必要な栄養や薬は全て点滴から。ICUを出ても、少しの間飲まず食わずで我慢してくださいと念を押された。
 体調は最悪だった。輸血を何パックかされたが、まだ血は足りていない気がする。上を向くと、途端に視界が白く霞むのだ。熱もあった。今は微熱程度だが、ICUにいた時は高熱だった。
 もちろん痛みもある。強い痛み止めを点滴から入れてくれてるらしいけれど、それでも縫った場所と折れた肋骨はまだ激痛だった。寝返りすら辛いのに、乱暴に起こしやがって、と亮に恨み言の一つでも吐いてやりたくなる。

(久しぶりに、あんな苛ついてるの見たな……)

 二人でいる時ならいざ知らず、あの場には宵もいたのだ。人がいるのに、あからさまに態度に出すのは珍しい。

(苛ついてるっていうか、マジギレしてたのかな)
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