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Memory of Night 2
第42章 入院生活

 ICUの時、高熱でふらつきながらも医師や看護師の目を盗み、電話をかけに行った。部屋に移されてもそこで電話はだめだというからわざわざ別の場所に移動したのに、脱走騒ぎになってしまった。一回目は亮、二回目は土方にだ。土方に電話をかけたのは、助けてくれた礼と、せっかく設けてくれた撮影の機会を自分が台無しにしてしまったことを詫びるためだった。
 歩くのが本当に辛くなってきた。千鶴は周囲を見まわした。ずいぶんと院内をさまよった気がする。すでに病室らしき部屋はなかった。リネン室、と書かれた部屋があったが、ノブを回してみてもドアは開かない。鍵がかかっているようだ。病院なんだから、当たり前か、と思う。
 だがそのさらに奥に、何もプレートに書かれていない部屋を見つけた。
 ノブをそっとまわすと、今度はすんなりと開いた。

「鍵開いてんのか……」

 無用心だな、とは思ったが、中に入ると納得だった。
 倉庫のような場所だった。足の壊れたベッドや椅子、シーツやよくわからない備品が雑多に置かれていたが、全て埃をかぶっていた。使わなくなった物を入れておく物置のような場所なのかもしれない。
 千鶴はどうにかしてベッドまで歩き、腰かけた。少し休まないと、部屋には帰れそうもない。
 また看護師がヒステリックに怒りながら迎えにきてしまうだろうか、とも思ったが、どうしようもなかった。
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