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Memory of Night 2
第42章 入院生活

 だが確かに、言われてみれば部屋もそうだし、ローズの中で好むのはスタッフルームを除けばステージ横の物置のようなスペースだった。一人になりたい時はよくそこにこもっていた。
 そうすると亮も、ふらりと顔を出しにきた。
 まだ積極的に自分がショーに出ていた頃は特に、客達を避けてその場所に隠れていた。あの頃のローズはどこでだって煙草が吸えたのだ。
 なんだか懐かしいと思う半面、たった数年前の記憶がやけに遠く感じられた。

「宵くん、ずっとハルちゃんのこと庇ってたよ」

 千鶴は首をかしげた。

「庇う?」
「洞穴が崩れそうになった時、春加さんは怪我で動けなかっただけですって。自分が勝手に飛び込んだだけだから、彼女は悪くないですって」
「……違う、全部あたしが悪いんだ」
「だろうね」

 亮は間髪入れずに首肯する。
 千鶴もそう話した。アメリアからも、事故の経緯は聞いただろう。悪いのは他の誰でもなく自分。崩れかけた洞穴から、さっさと出ればよかった。それだけの話だ。
 そんなことはわかっている。だから亮に責められても、言い返す権利すらないことも。
 ーーそれでも耐えられなかった。冷やかに見下ろされるのも、そのあと浴びせられるであろう罵声も。だからつい、部屋から逃げ出してきてしまった。
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