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Memory of Night 2
第42章 入院生活

「てか、店任すって言ってんのにクビにするわけないでしょう? どうすんの、新しくオープンするバー」
「……え?」
「え、じゃない。ポスター作りだって途中だし」
「それはもう無理だろ、宵があんな怪我してたら……」
「素材はあるよ、君やスタッフの子達がたくさん試し撮りしてくれたからね」

 千鶴ははっとする。着物を着せ、メイクもして二時間近く撮影会を行った。真冬の洞穴でなるべく時間をかけずに撮り終えられるよう、明るさやレンズを換えて幾つものパターンを撮った。何十枚も素材はある。

「緊縛はできなかったけどね」
「あれはもともと無理だったよ」

 最初は着替えさせたあと、縄を使って縛ってから撮る予定だったが、肝心の撮影場所が外の、あんな獣道を登った場所にある洞穴だと知った瞬間諦めていた。危険すぎる。代用品として、手錠か鎖を持っていくつもりだったが、無くても充分だろう。

「どれを使ってどんなポスターに仕上げるか、そういうセンスは僕よりハルちゃんの方があるからね。アメリア先生と君に任せるよ」
「でも……」
「東北(こっち)でやらなきゃいけないことは、だいたい済ませた。もういい加減店開けないとだし、僕は戻るよ。ハルちゃんもさっさと怪我治して戻ってきな。安静にできないなら、腹切れたまま痛み止めでも打って店に立つかい?」
「……鬼畜!」
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