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Memory of Night 2
第43章 受験の女神様

 改めて宵に向き直り、意思の強い瞳の色を宿しながら、真面目なトーンで千鶴は言う。

「困ってたら頼れってこと。ーーもう、昔みたいにおまえを見捨てたりはしない」

 千鶴の強い決意のようなものが感じられた。
 昔みたいに、というのは、両親が死んでしまった時の話だろうか。
 宵は洞穴で千鶴に話を聞いた時から、そんなふうに思いはしなかった。捨てられたとも、見放されたとも思わなかった。あの時も言った。きっとあの時はあれが一番正しい選択だったのだ。無理だと思ったのなら、そうしてくれて良かったとさえ思う。だが、千鶴の中にはその時の選択も、後悔の一つとして残ってしまっているのかもしれない。
 今、少しでもそれが払拭でき、自分と関わることが千鶴にとって精神的な負担にならないなら、喜んで彼女が差し伸べてくれる手を取りたいと思う。

「ーー晃はなんも言わねーだろ、叔母って言ったし。いーよ、あんたんとこで働く」
「……まあ、あたしが退院できたらな」

 宵は笑った。雇ってもらえるのはありがたいが、本当にいつになるやら。

「早く治せよ、傷」

 千鶴は頷き、そろそろと横になる。
 時計を見ると、看護師が夕食を持ってくる時間だ。病院での生活は、本当に規則正しい。そして夜が早く、暇である。
 宵はまったく眠くなかったので、ヘッドホンをつけてテレビを観ながら夕食を待つことにしたのだった。
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