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Memory of Night 2
第43章 受験の女神様

 翌日から、千鶴はようやく少量の粥と飲み物を口にできるようになった。微熱も下がり、ゆっくりではあるが体も回復していっているようだ。
 だが、今度は逆に宵が発熱した。
 若い医師が病室を訪れ、診察と血液検査、冬に流行るウイルスの検査もしてくれたが、特に異常は見られなかったという。

「うーん、普通の風邪かな。骨折した時に発熱することもあるんだけど、もう怪我をして日数もだいぶ経ってるから、それではなさそう。抗生物質出しときますので、毎食後飲んでください」
「……はーい」
「あ、部屋移りますか? 個室が今はいっぱいなんですけど、空いたら……」
「いいですよ、面倒だし」

 おそらく同室の千鶴に感染(うつ)さないようにという配慮だろうが、宵はばっさりと拒否する。
 他に患者が入れば考えるが、千鶴だけなのにわざわざ部屋を変えるのは面倒だった。

「……感染すなよ」
「まあ、この距離ならマスクでもして、たまに換気してれば大丈夫ですよ、きっと。また診察にきます」

 そう言い残し、医師は出ていく。忙しそうだった。
 担当の看護師が、宵と千鶴にマスクを差し出す。

「これつけててね。あ、あと窓も開けるね。ーー今日は快晴だ!」
「さっむ!」

 暖かく保たれていた室内にいっきに東北の冷たい風が吹き込んできて、宵は掛け布団を手繰り寄せた。これでは、余計熱が上がりそうだ。

「数分後に閉めにくるから、また! あ、千鶴さん、窓から逃げちゃダメですからね!」
「……逃げないっつの」
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