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Memory of Night 2
第43章 受験の女神様

「あ、寝ぼけてただけ? ごめんね起こしちゃって」
「そんなん別にいいけどーーなんで明がここにいんの?」
ようやく頭がはっきりしてきて、適切な質問を投げかけることができた。
地元から新幹線と電車で二時間以上かかるこの場所に、なぜ明がいるのか。それが最大の謎なのだ。
「実は今、家族でこっちに旅行に来てるんだ。卒業したら東京の専門行っちゃうから、少し早めの卒業旅行。知ってる? この近くに合格祈願で有名な神社があるんだよ。病院の名前聞いた時、あんまりにも近くだったからびっくりしちゃった。車で十分くらいだよ? だから、パパに言って病院に寄ってもらったの」
「……そういうことか。家からきたのかと思って引くほどビビったんだけど。ドッペルゲンガーかと思った」
「もう、そんなわけないでしょーよ! あ、だからか。さっきの看護師さんにずっとあんたの彼女? って聞かれたのは」
そりゃ、そんな遠方からわざわざ見舞いに来る子がただの同級生なんて普通ならありえない。特別な関係だと思われても仕方ないかもしれない。
おまけにあの看護師には晃とのキスまで見られてしまっているので、二股をかけているように見えるのもわかる。
にしても間が悪い。

