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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

「俺が宵の世話全部してあげるって」
「……いーって。なんかおまえに頼むと変なことされそうでやだ」
「変なことって? 普通に食事やお風呂手伝ってあげようと思ってるだけだよ? どんなこと想像してるの?」
「……なんもしてねーよ! もう、寝ろ早く! 試験お疲れ!」
宵は一方的に通話を切った。
晃に会いたいのは、自分だって同じだ。
宵は無意識に、首の辺りをさすっていた。晃の声は、たまに起爆剤のような作用をする。脳の奥にそっと入り込み、体の芯を揺さぶってくるのだ。
ずっと慰めてない体に熱が溜まって仕方がなかった。
もちろん今の状況では、一人でこっそり発散することはできない。自分の家ではないし、風呂も手伝ってもらっている状況だった。それでもこんな気分になったことはないので、間違いなく晃のせいだ。
ふいに試験日の朝の晃からのキスを思い出し、宵は顔をあげた。
隣に担任の倉木、周りにはクラスメイト達もいたのに、あまりの大胆さに開いた口が塞がらなかった。
晃との関係はバレてしまっただろうが、あの日は試験でクタクタでそれどころではなかった。
思い出すとまた、さらに体が火照る。
宵は晃からのキスの感触を振り払うように首を振り、寝るための準備のため部屋を出た。

