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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

そして、二月始め。どうにか足のギブスは取れた。まだあまり左足に負荷がかかるような行動はするなと注意されていたが、松葉杖なしで歩けるようになったのは大きい。
そして一番心配だった指も、きちんとくっついてきたという。弘行が働く病院でレントゲンを撮ってもらい、歪なくっつき方はしていないと確認できた。もし変なふうにくっついてしまっていたら、もう一度折って手術で繋ぎ直す、なんていう恐ろしすぎる治療法を宣告されていたため、宵はほっと胸を撫で下ろした。
「ずっと固定していて筋肉が固まっている状態だから、多少の痛みは仕方ないと思うけど。指が痺れたりはない?」
「はい、平気です」
「なら、神経を傷つけてるってこともないかな。まだはっきりとは言いきれないので様子を見ましょう。指のマッサージとリハビリも少しずつ行(おこな)っていきましょうかね」
「はーい」
弘行が紹介してくれた整形外科の医師は、そう言った。五十代半ばの女医であった。
そうして固定具を外し、通院でのマッサージとリハビリが始まった。最初のうちはコップも持てないほど、思うように動かせなかった。自分の体の一部ではないようで不安になったが、固定具が外れたばかりの頃は、みんなこんなもんだという。足と違い、指は神経も関節も多いため、リハビリやマッサージをきちんとしないと今後に影響するという。

