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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

しっとりとしたキスをしばらく続け、晃は宵の唇から自分のを離した。今度は宵の髪をそっとどけ、額にもキスをする。右の頬にも同じように、キスを繰り返した。
そこにいやらしさはなかった。
自分の大切なものを、その存在を確かめようとでもするような、そんな行為に感じた。
「……宵のそばにいたいんだ」
「ーーわかったって」
宵は左手で、晃の頬に触れた。その唇にキスをする。
請うように見つめられれば、拒めるはずなどなかった。
もう昔のような強引さは必要ない。真っ直ぐな眼差しで求められれば、それだけで何もかも受け入れたくなってしまう。
心はすっかり晃のものだ。そんな自分に、改めて気づかされて、つい笑みが溢れる。
「おまえのものって、全部俺んちに置きっぱなし?」
「服は半分くらい持って帰った。でもまあ足りるよ、平日は制服だし。勉強道具は持って帰ったけど、持ってきた」
確かに、晃は背中にリュックを背負っていた。全部勉強道具だろうか。
「……俺、おまえに言ったっけ? 今日からアパート戻るって」
「いや、言ってない。待ってよっかなって思って」
「……ストーカーかよ」
つい噴き出してしまう。

