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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

とりあえず、と宵は晃を部屋に招き入れる。長い廊下を抜け突き当たりのドアを開けると、いつも過ごしていたリビングがある。当たり前に片付いていた。
「そっか、片付けていってくれたんだっけ。サンキュー」
一応自分の部屋のはずなのに、ルームシェアしていた恋人が長期で部屋を空けるためにあれこれしてくれたというのは不思議な話だ。その家にまた恋人を住まわせるというのも、同じく変な話だった。
「不信に思われなかった? また俺んち住むって言って」
「あー……」
晃は軽く髪をかきあげた。
「実は、バレちゃったんだよね、君との関係。親には別に、君と付き合ってるとは言ってなかったけど」
男同士ということもあり、単に友人とルームシェアしているだけだと思っていたのだろう。
特に晃の母は何年も前から宵を知っている。志穂が入院している間、志穂の担当の看護師だったからだ。
息子のルームシェアの相手が自分が担当する患者の義理の息子。そんな縁を、微笑ましく思われていたようにも思う。
だが、友人でなく恋人、と知り、どう思うだろうかというのは気になる。
「まあ、驚いてはいたけど。でもちゃんと言った。君が大切だってこと」
晃は笑った。そうして小一時間ほど前の母親とのやり取りを話してくれた。

