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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

「……どんだけだ」
二人はソファーの上で、ハーブティーを飲みながらくつろいでいた。こんな時間は久しぶりだ。
先ほどの母とのやり取りを晃が話すと、宵は呆れたような顔でそう呟いた。
「そりゃ、今の状況で俺と住むって言えば変に思うだろ。男同士で付き合ってるって知れば、将来のこととか考えれば心配にもなるだろうし」
「そんなの、関係ない。俺は宵がいい」
「あーはいはい。それ何回目だよ」
「……宵は、将来は女の子と結婚したい?」
「なんでそうなる」
宵は頭を少し傾け、晃の唇へと口付けた。不意打ちに晃は目をみはる。宵からのキスは本日二度目。一日二回もなんて、珍しすぎて天変地異でも起こるのではないかと思う。
いつまでもこの幸福に酔いしれていたかったが、柔らかな唇は五秒もしないうちに離れていってしまう。
「えー、終わり? ディープなのはしてくれないの?」
「しねーよ、アホ」
宵は照れたように顔を赤らめた。
そんな表情も、破壊力抜群なほど可愛い。
共通試験の時は、受験までのほんのはわずかな時間だけ会ったが、本当にあの数分間だけだった。
こうしてゆっくり話すのは、約一ヶ月半ぶり。
髪が少し伸びていた。他は一緒に過ごしていた頃のままだ。元気な姿に改めてほっとする。

