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Memory of Night 2
第44章 リハビリとマッサージ

「右手と左足以外に痛むとこはない?」
「うん、平気。擦り傷とか痣は体にもいくつかあったけど、もうとっくに治った。左足もそんなに。厄介なの右手の指だけ」
「マッサージしてあげようか?」
「……いいよ一人でやれるし」
「リハビリ通院してるんだっけ?」
「うん、週四でしてたけど、来週から学校行くから土日かなあ。でも受験もあるし、行けるかな」

 二月はまだまだ慌ただしい。もうすぐ二次試験だってある。

「だったらなおさら家でちゃんとやらないと。俺が毎日してあげる」
「いいっつの、だいたいやり方わかんねーだろ! ……っ」

 拒もうとする宵の左手を払い、右手を掴んだ。反射的に引っ込めようとしてしまったのか、その小さな刺激でさえ痛みを伴うらしい。
 宵は息を詰め、眉間に皺を寄せる。

「まだ結構炎症は残ってるのかもね。どれだけ無茶したの?」

 一歩間違えば、指や手首ごと切断、なんて事態にだってなっていたかもしれないのだ。痛みを伴うリハビリは辛いだろうが、ちゃんと五体満足で洞穴から出られたこと、良かったと思う。
 あとは元通りに動くように、しっかり治してあげたい。

「なんで……やり方知ってんの?」

 伏せていた顔をあげ、語尾をかすれさせながら聞いてくる。
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