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Memory of Night 2
第45章 卒業

「うん、受けれたし、ギリギリ志望校も射程圏内だったから、二次も受けるよ、今月末」
「そんな何度も試験やるんだ。ガンバレガンバレー」
「……絶対バカにしてるだろ? なんなんだよ、そのとりあえず言っとけみたいなやつ」

 別に棒読みでもなんでもいいが、二回続けて歌うように言われるとさがにムカついてくる。
 電話越し、千鶴の盛大な笑い声が響いた。
 その声が、唐突にやむ。

「……おまえの母親には聞いた? 桃華と秋広の離婚理由」

 トーンをわずかに下げ、聞いてきた。

「まだ。志穂さん今、入院してんだよね」
「……入院? 体弱い人なんだっけ? 病気?」
「いや、妊娠してて。つわりが酷いから、らしいけど。予定日が二月末だから、その話は産まれてからする」
「その方がいいかもね」

 出産を間近に控えた志穂に、そんな話はストレスでしかないだろう。
 一時的なものだったとはいえ秋広と志穂は関係があった。それは志穂自らが言っていたことだ。二人の関係が具体的にどのようなものだったのか、自分から尋ねたことはなかった。
 聞きづらさもあるが、まだどこかで、秋広が桃華以外の女性と関係を持った、というのが信じられない気持ちも強い。死ぬ直前までお互いを思い合った夫婦でいてほしかったという、願望やエゴもかなり混じっているかもしれないが、真実を知るのが怖い気持ちも強かった。
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