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Memory of Night 2
第45章 卒業

 そして、あっという間に月日は過ぎ、二次試験当日。
 その日は一段と冷え込んでいた。コートとマフラー、カイロも握りしめ、宵は弘行に車で試験会場である大学まで送ってもらった。
 送迎用としてあらかじめ用意されていた駐車スペースに着くなり、弘行が言う。

「いよいよだね。宵くんなら大丈夫、頑張ってきな。あ、受験票持った?」

 そう問われ、宵は鞄を一応確認し頷いた。

「ちゃんと入ってる。送ってくれてありがと、頑張ってくる」
「筆記と面接だよね? 終わったら連絡ちょうだい」
「……別にバスで帰るから大丈夫だよ。先生このまま仕事でしょ?」

 弘行の職業は医師。総合病院で働いている。
 試験が終わる時間も明確には決まっていないし、帰るだけなのだからわざわざ連絡を待ってまで迎えにこなくてもいい。
 だが弘行は、大丈夫、と一言。

「今日くらい空けるさ。宵くんの将来に関わる大切な日だし」
「大袈裟」

 宵は笑った。バスでの帰り方も一応調べてはいたが、そこまで言ってくれるなら、と弘行の好意に素直に甘えることにした。助手席から降り、車内の弘行に丁寧に頭を下げ義理の父を見送った。
 それから建物に向かい歩き始めると、狙ったようなタイミングで着信。晃からだった。
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