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Memory of Night 2
第45章 卒業

 倉木は安堵して、微笑んだ。

「……君だけ合否の連絡無かったから、明日になってもないようだったら電話しようと思ってたんだけど、もしかして直接伝えにきてくれたわけ?」
「あー、電話すんの忘れてた」

 少年はやべ、という顔になる。
 どうやら他の目的があるらしかった。

「じゃあ、どうしたの? 忘れ物でもした?」

 少年が座っていた窓際の席を覗こうと歩きだそうとした倉木に、少年が首を振る。

「違う。これ、渡そうと思って……」

 そうして差し出してきたのは、無地の紙袋だった。

「……え?」
「先生には病院に車出してもらったり、入院中の課題作ってもらったり、個人的にも世話になったから。大学も、先生と話してなかったら多分行かなかった。ちょっとだけど食べて。大好きな酒と一緒に」

 その口ぶりに驚き、目をみはった。

「わざわざいいのに。……ていうか君、こんな気遣いできたんだね」

 確かに目の前の少年には、他の生徒に比べ個人的に目をかけていた部分はあった。彼の家庭環境も上から聞いてはいたのでなおさらだった。
 就職希望だった彼に大学への進学を勧めたのも、個人的な思いがなくはなかった。
 だがまさか、わざわざ手土産まで持って挨拶に来てくれるとは思わなかった。
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