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Memory of Night 2
第45章 卒業

「あー……まあ言われたからだけど」
「言われた? 誰に……」

 言いかけて、袋の中を覗いた倉木は思わず噴き出した。
 スルメと、ビーフジャーキーと醤油。醤油はよく見ると、牡蠣醤油だ。

「本当につまみじゃん! こういう時の定番て、普通お菓子じゃないの?」

 しかもつまみと醤油なのだ。もうツボってしまいそうだった。

「酒に合いそうでしょ?」
「……ええ、ええ。焼酎か日本酒かな? この醤油は?」
「前に牡蠣で腹壊してたの思い出して」
「もう、嫌味? あれがトラウマで牡蠣食べられなくなっちゃったのよね。だから醤油はありがたい。大事に使わせてもらうわ、ありがとう」
「うん」

 少年は頷いて、踵を返そうとする。その動きが、ふいに止まった。

「ねえ先生、一個聞いていい?」
「ん?」

 一瞬、躊躇う素振りがあった。

「酒、好き?」
「ええ、好きよ? ほとんど毎日飲んでるわ。ビールとか、ウイスキーとか」

 倉木は素直に本当のことを答えた。彼には何度か飲みや酒の席が好きな話をしているし、今さら隠したり取り繕ったりするようなことでもないからだ。

「……ふーん」
「どうしてそんなことを聞くの?」
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