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Memory of Night 2
第7章 緊縛イベント

「ーーどう? 苦しくない?」
「……へーき、だけど」
だいぶ緩めに縛ってくれたようで、痛みや苦しさはない。ただ、少し動くだけでも縄が擦れる感触や場所によっては肌に食い込む感触があり、拘束感は強かった。
それでも手足は自由だ。
「エロい眺め」
晃は目を細め、宵の体を見つめる。
亀甲縛りはその名の通り、亀の甲羅を模した縛り型だった。正面から見て胸元と腹の辺りに六角形の模様を作るように縛る。
白い肌に赤い縄が食い込む様は、卑猥で扇情的だった。
「宵の家に全身鏡があったら、見せてあげたかったのに」
「いい、そんなん見たくない」
生憎鏡は浴室にあるだけ。そこまで大きくもなかった。
「残念だなあ」
晃はおもむろにスマホを手に取り、宵に向けた。カシャッという音と共に右上のカメラが光る。
「ばか、撮るなって」
「記念に」
「マジで悪趣味」
「じゃあさ、悪趣味ついでにこっちも使っていい?」
どこに隠し持っていたのか、取り出したのは黒い手袋と、同じく黒のアイマスクだった。手袋はエナメル素材のようで、妙な光沢がある。しかもよく見ると、右と左が短い鎖で繋がっていた。
「それ……」
嫌な予感しかしない。
「タオルとか使っても、結局痕になっちゃうからさ。手袋型の拘束具」
「いつの間にそんなの……」
「今はネット通販という、便利なお買い物方法がありまして」

