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絶対的下僕の末路
第5章 【死んでも私の下僕よ、土下座しなさい】





「今まで以上に気引き締めてちゃんと卒業はするよ」




「おめでとう!こうと決めたら絶対譲らない沙羅だからその言葉聞いて安心した」




何か今日は色々と抱き締められる日だな。
親友だからって伊織に楯突いてるよ。
「こんな女だけど可愛いとこたくさんあるから手放すなよ」ってディスってる?




「はい、存じ上げております」




「ちょ、やめて」




それでなくても注目の的だから今の私たち。
それぞれ違う講義だからバイバイしなきゃなんだけど。




「何よ、ラブラブ見せつけるつもり?」って真帆がイジってくるからウィンクしてアイコンタクトしたら溜め息つきながらもやってくれるんだよね。
ちょっと訳が分かっていない伊織を何とか繋ぎ止めていて。




「あ、大柴教授、この前の病的石灰化に関しての研究なんですけど…」と一番大柄な教授を目の前で引き止めてくれて私たちに壁を作ってくれる。
身長が高く元ラグビー部らしいから体格良くてちょうど二人が隠れるの。




少し屈ませて踵を上げる。
チュッとソフトなキスで触れて、更に背伸びして3秒ほど絡ませ合った。
親指でついちゃったグロスを拭う。
バイバイしたら真帆も教授にお礼してる。




そして、目を細め呆れた目で私を見つめてくるのだ。
ごめんって謝まりながらじゃれ合う。




「ムカつくくらい良い顔してるわ、今の沙羅は」…らしいです。
それからの私は本当に真面目に。
真面目に………真面目に。




真面目に………?








「僕をあなたの下僕にしてください!」




あの、白衣で土下座しないでくれる?
汚れるよ?
どうしてか後輩からそう言われるようになる始末。
左手薬指に光る指輪が目に入らんのか。




熱心にレポートしたり同じ研究に力入れてるから仕方なく優しく教えたらこれだもん。




「あぁ、ごめんね?私の下僕は一人で充分だから」




「三津谷先輩………」




そろそろその名字に慣れてきたけど、後輩は皆、私が既婚者だという事は知れ渡っていないようで。
いや、歯学部に同じ名字がもう一人居るんだけど。











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