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絶対的下僕の末路
第5章 【死んでも私の下僕よ、土下座しなさい】





全ての誘いを断って伊織と帰るのに。
夫婦……ではなく、下僕の一人だと本気で思い込んでるってウケる。
真帆もその辺は面白がって訂正しない。
そこは私もなので余計に誤解が生じているのだ。




今更だけど、どうにもこうにも、
周りから見れば私は誰に対しても女王様気質らしい。
だからたまに、たまーに今回みたいなドMな男が引っ掛かる。




自分自身はそんな気さらさら無いんだけど、真帆曰くダダ漏れとの事。




「このレポート取ったの誰?」




「あ……僕です、すみません、何か不備でもありましたか?」



ここで見つめるのがモロ女王様で周りは若干ざわつくらしい。
いや、この子誰だったっけ?って顔見て思い出してるところなのに。
どうしても思い出せなければその場で名前聞くけど。




ちょっとビビらせたのかな?と思い留まり優しく笑うの。
「よく出来てるわね」って言うのが飴と鞭だって言われるならどう言ってあげるべきだったのかしら。




下の子が増えた分、扱い方がわからない。
弟も妹も居ない一人っ子だから尚更。
それなのによく慕われるのは何故なの?




「いつも一緒に帰ってる人と仲良いですよね……あの人が言ってた下僕さんですか?」なんて言い出すから真帆と二人でお腹抱えて笑った。




「もうギブ……そろそろカミングアウトして良い?」




涙を拭きながら真帆に確認を取る。
応えようにも笑いが込み上げてきて
「待って待って」とお腹押さえてる。
何が何だかわかっていない後輩たちは皆キョトンとしてる訳で。




電話で伊織を研究室に呼び出す。
もう教授も居ないし良いかなって。
数分で来てくれた伊織も事態を飲み込めず負けないくらいキョトンとしていた。




「伊織、学生証出して」




自分の学生証も出して皆に見せる。




「え、あっ………同じ名字だ」
「あ、本当だ」
「え!?ご姉弟!?え、でも似てない」
「まさか、義理の…ですか!?」




「あー!もうダメ……キャハハハ!」




真帆が腹筋崩壊してる。




「違うよ」




そう言ったのは他の誰でもない伊織自身だ。
あ、声が低いから怒らせちゃったかな。
そう思いながらも伊織の首に手を回しちゃう私は。












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