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絶対的下僕の末路
第1章 【玩具はお前だって言ってんの】
あなたは私の名前を呼ぶけど私は知らない。
一度身体が交わったからと言って面倒くさい女じゃないから安心して良いよ。
あと、変な噂流すなら流してくれても良いし。
ヤリマンだ…とか誰とでも股開く女だとかレッテルを貼られても痛くも痒くもないから。
独りは慣れてる。
馴れ合いなどするつもりもない。
適当に男作ってセックスはしたいけど、誰かの悪口聞いたりマウント取られたり…はもう勘弁。
取り敢えず6年通って卒業して歯科医師になるのが第一目標だから。
帰り際、テクテク付いて来る足音。
いつも待ってるの?
どれだけ暇なの?
外に出るとポツポツと降り出した雨。
すかさず駆け寄り傘をさす一人の男。
「沙羅ちゃん、コレ使って?」
恐る恐る…というべきか、あまり目も合わさずにずっとこんな事やってる。
ガヤガヤ…と生徒が行き交うメインストリート。
降り出した雨に皆、走ってる。
自分はささずに肩から濡れて、傘を受け取るまで待ってるの?
「あんたがさせば?」
冷たく言い放ち脚を進める。
慌てて傘に私を入れ家に着くまでの間、ずっと半分濡れたまま。
玄関先で安心したように笑うのやめてくれない?
「じゃ、僕は帰るね?」
本当ムカつく、すぐ近所に住む幼馴染みの三津谷伊織。
私の下僕。
いつになったら脱却出来るんだろうね。
そうやって一生、私の顔色だけ気にしてたら良いよ。
Tシャツを掴んで引き寄せる。
咄嗟に。そう、咄嗟に。
「え、沙羅ちゃん…?」
「服、濡れてる…」
「うん、帰ったらすぐシャワー浴びるから平気だよ?」
ほら、全然わかってない口調が癪に障る。
私が何で引き止めるのか考えてから物言えよ。
それともわざとなの?
わざとわかんないフリして私を試そうとしてるんだ?
「うちで浴びれば良いじゃん」
「え、でも……」
目が泳いでる。
本当情けないね。
1から10まで説明しなきゃわかんない?
だからお子ちゃまなんだよ。
更にグイッと引き寄せ首元に顔がくっつくほど腰を曲げさせた。
「ねぇ、他の男の匂いついてんでしょ?取ってよ…」
「え、沙羅ちゃん……したの?大学で?」