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絶対的下僕の末路
第1章 【玩具はお前だって言ってんの】
ホテルから出ると眩しい朝日に目を細めた。
近くにコンビニがあって駐車場スペースで待ってたらチラホラ視線感じて。
ふと、ガラス越しに映る自分の姿を確認する。
黒のサマーニットに茶色のチェックショートパンツに合わせた同色ベルト、絶対領域は忘れずに黒のニーハイブーツ。
レザーの黒キャスケットは深く被って巻き髪を揺らす。
さっきエレベーター内で塗ったルージュ。
大きなピアスを触りながら携帯をいじる。
昨日一緒に飲んだ友達から
(お持ち帰りしてたけど大丈夫ー?)とだけメッセージが入っていた。
マジか、お持ち帰り私がしてたんだ。
お金払っといて良かった。
毎回ホテル行くたびに払ってりゃ破産するなって思うけど、後々トラブルになるのは面倒だし多めに払うのは始めに決めた自分の中でのルールだ。
勿論、私から誘った場合のみだけど。
「ねぇねぇ、今一人?暇だったりする?」
そう声を掛けてきたのは見た目チャラ男な金髪男。
アクセもジャラジャラと煩い。
一瞬で目を逸らし携帯に集中する。
「暇じゃないでーす」
「誰か待ってるの?その間だけでも良いから一緒に居て良い?」
「まぁ、お好きに」
(さっき目覚めて固まった)
(誰?)
(昨日そんなに良い感じだった?)
(真帆こそどーなった?)
メール返信だけ済ませたけどまだ携帯見てるフリ。
勝手にベラベラ喋ってるけど右から左だわ。
もう一度言う。
朝は低血圧なの。
癪に障らない程度にお喋りしてね。
「どこ住み?めっちゃタイプなんだけど!お友達誘って良いからさ、グループで今度遊んだりしない?名前なんていうの?」
スクロールしていた指が止まる。
「え、そういうあなたは?」
「ちょっと〜!最初に名乗ったの聞いてなかったの?ケンジだよ!で、キミは?」
「煙草持ってない?」
「え、あぁ、持ってるよ」
一本火を吹かせてもらって咥える。
煙は相手に掛からないよう吐き出して。
二回吸ったらドドド…と駐車場に入ってきた大型バイクのハーレーダビッドソン。
目の前に停まるとふかしていた煙草をチャラ男に咥えさせた。