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絶対的下僕の末路
第2章 【負け犬らしく遠吠えしなさい】
女に対して無知過ぎるアイツが悪い。
私よりカス選んだら承知しないから。
「じゃ、私が狙っちゃおうかな?」
隣で平然と馬鹿馬鹿しい事を言う真帆に呆れた溜め息が出た。
「全然タイプじゃないでしょ」
「うーん、でも沙羅が手放さないなんて、よっぽどアッチの相性が良いのかな?って興味はあるよ」
「残念ね、下手くそ過ぎて躾けてるとこ」
「別に下手でも良いよ、私」
「暇つぶしなら他当たりなよ」
「じゃ、誘ってみてなびかなかったら諦めるとしますか」
ちょっと待って、真帆が伊織を誘う?
百発百中の真帆が!?
アイツ……絶対にホイホイついて行きそう。
「好きにすれば?私も真帆が面倒見てくれるなら安心だわ」
なびいたらなびいたでお仕置きすれば良い。
本当にちょん切ってやる。
「素直じゃないんだから〜」って茶化すのやめて。
私たちを見てヤキモキしてくれてるのは充分伝わってる。
だからってどうしようもないの。
今の関係性を変えるつもりもないし変わらないと思う。
真帆が侵入してくるのなら、良い刺激になって何か動き出すのだとしたらそれは………
「じゃ、早速仕掛けて来ようっと、邪魔しないでね〜沙羅」
「どうぞお好きに」
チッ!本当に行ってしまった。
伊織とは同じ歯学部だがクラスが違う。
私はトップクラスで特進コースだからね。
真帆もそうだけど、特進コースの人間が誘いに来たらどうなるかなんてよくわかってる。
小心者の伊織ならきっと真っ赤になってアタフタし、テンパったまま誘いをOKするんだろう。
しかも私の友達ってわかってるなら無下に扱う事はしないだろうし。
どんなに断っても真帆ならありとあらゆる手を使って必ずゲットしそう。
数々のテクを一番近くで見てきてるからね。
伊織なんて手を煩わせる事なく済みそうだ。
「あれ?まだ残ってたのか?居残り?もう少しかかるかな?」
気が付けば一人ポツンと残されていた。
先ほど講義していた非常勤講師が鍵を締めにやって来たのだ。