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絶対的下僕の末路
第2章 【負け犬らしく遠吠えしなさい】
家で吸った煙草に酷く噎せて寝転がり笑ったらこめかみの方へ一粒流れていった。
どうしようもなく胸が締め付けられて、行き場を失い、頬を濡らす夜がある。
でもね、私、泣き方忘れたの。
どうやったらスッキリするまで泣けるの?
誰と身体重ねたって救われない想いが存在してる。
消せない孤独感が急に押し寄せてくるの。
出来るものなら泣き叫びたい。
苦しい……息出来てるのかな、私。
辛い……原因がわかってないから余計厄介だ。
布団に包まり身を潜めてた。
こんな日は伊織を真っ先に呼ぶのに、バイトだって言ってたし真帆と仲良くやってんなら呼び出しも出来やしない。
今日は先生とセックスしたからもう良いや。
身体は満足してるはず。
それでも鳴り響くインターホンに飛び起きて縋り付いてしまう。
「沙羅ちゃん、ご飯食べてないでしょ?作りに来たよ」
何でそんな笑顔で来れんのよ。
思わず抱き締めてしまうじゃない。
バカなの?
「わっ、沙羅ちゃん!?どうしたの?何かあった?」
玄関に尻もちつくほど押し倒してキスしてる。
余裕ないの、わかるでしょ?
真帆にも同じ笑顔見せてんじゃないわよ。
伊織のくせに、ムカつく。
でも、今逢いたくて仕方なかった。
「沙羅ちゃんごめん、バイト終わってダッシュで来たから汗臭いよね」
「良い、汗臭くても……今日泊まって?」
「え、あ……ハイ」
「連絡なしで来るなんてどうせ男連れ込んでないか見に来たんでしょ?」
「そ、そんなんじゃ……」
嘘つくのも下手ね。
でも良いの、来てくれただけで。
「伊織が添い寝してくれなきゃ眠れないの」
「また寝不足?わかった、僕で良いなら何なりと……下僕ですから」
最近じゃ自虐気味にそう言ってくる。
本人も楽しんじゃってる。
冗談交じりであっても私が真剣に見つめるとその時の空気は読んでくれる。
成長したね。
「もしかして、僕の事待っててくれたの?」
「終わる時間教えてくれなかった……」
「え、いつも22時までだからわかってるのかと」