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絶対的下僕の末路
第2章 【負け犬らしく遠吠えしなさい】





「いつもなら煩いくらい教えてくるのに今日は浮ついててそれどころじゃなかったんじゃないの」




「えっ?え?え?何が……でしょう?」




知らないフリするなら別に構わない。
話をすり替えるように「お腹すいた」と言えばまた笑顔で「リゾットで良い?」とか可愛過ぎるから勘弁して?




「えっと、沙羅ちゃん?待て…ないかな」




キッチンに立つ伊織を後ろからハグして匂いを嗅いじゃう。
汗臭いの気にして離れようするから危ない包丁は手から離してこっちに向かせちゃうの。




チュッと触れた柔らかい唇。




「私に向かって待てなんてどの口が言ってんの?」




「あ……ハイ、ごめんなさい、すぐ作るので待っ…!」




言わせない。
キスで塞いで有耶無耶にする。
徐々に深く、首に絡みついたら逃げられないでしょ。
勃起すんなよ、バーカ。




「さ、沙羅ちゃん……」




「私に何か言う事あるでしょ?」




「えっ?」




「真帆との事、知らないとでも思った?」




また目が泳いでる。
引っ叩いてやろうか。




「えっと、アレ……何かの罰ゲームでしょ?真帆ちゃんが僕に話がある訳ないもん……沙羅ちゃんの事かなって思ったら、二人で遊びに行こうって」




「ふーん、それで?乗ったんでしょ?」




「まさか!沙羅ちゃんが一緒に居るならともかく、二人は嫌ですって断ったよ」




「あんた何してくれてんの、真帆だよ?バカじゃないの?」




「え、沙羅ちゃんが居ないと時間の無駄だから……遊びに行ったとして、ずっと沙羅ちゃんの事考えるだろうし僕なんかと一緒に居て楽しいはずないし、逆に目立って僕の方が地獄だよ…」




「あんたそれでも男なの?」




真帆を断る男なんて初めて見た。
それがこのヘタレ男だなんて世も末ね。




「沙羅ちゃんこそ……今日、生田准教授と何処か消えてったでしょ?」




「あぁ、見てたんだ?うん……したよ?先生とセックス…」




涙拭くフリなんかしてあざといね?
自分だけは潔白だって言いたいの?
首に絡んだ手、離してやんないよ。




「でもそれは当て付け……真帆になびいた罰」




「僕はちゃんと断った、これからもなびく事なんて絶対にない!」











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