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絶対的下僕の末路
第2章 【負け犬らしく遠吠えしなさい】
「ちょっとどういう事!?」
講義室で凄い剣幕した真帆が私の前の席に座るや否やこの荒れぶり。
「どうしたの?」
今の真帆とは真逆でクールぶった私にさぞかしイライラしてるのでしょうね。
「……と言いたいところだけど長期戦で行くつもりだし、悪いけど良い意味で本気にさせられたわ」
「ふーん、意地にならなきゃ良いけど」
「うわ、余裕ぶってんね?そのうち彼が寝返っても責任取らないからね?」
「あ、ひとつ確認しておきたい事が」
「な、なに?」
「もし、伊織が真帆になびいたとして、セックスしたら終わり?セックスする前に終わる?真帆のゴールを確認し忘れたなって」
「………その時の気分ね、私が萎えたら終わり…?」
「じゃ、萎えなければ最後までするって事ね?わかった」
参考書を開いて復習しておこうとしたらおでこを突付かれた。
「本当にそれで後悔しないのね?私の手垢ついちゃっても下僕にしておくの?」
「……そうなれば下僕以下ね」
「いつになったら気付くのかしら、この子は」
「あ、伊織のバイトスケジュール、今LINEで送ったから……日曜日とかデート誘ってみれば?私も用事作っとくから気兼ねしないで?」
「……わかった、誘ってみる」
ちょうどその時、授業が開始するベルが鳴り講師が入って来た。
運良く話は終わって授業に集中出来る。
どんな顔して受けてたかなんて知らない。
余計な事は考えないよう脳内シャットダウンさせていた。
授業が終わり出て行こうとした矢先、呼び止めたのは講師だった。
一緒に居た真帆も驚いている。
「組織学のプリント、良かったら取りにおいで」
数秒間見つめ合ってニッコリ微笑む。
「本当ですか?ちょうど聞きたいところもあって……次の先生の授業の時に取りに行きますね」
「あ………次?」
「すみません、今日は用事があって」
「わかった、準備しておくよ」
「ありがとうございます、生田准教授」
ペコリと頭を下げその場を後にする。
一部始終を見ていた真帆は周りに聞こえないボリュームで詮索してくる。