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絶対的下僕の末路
第3章 【誰が休んでいいと言ったのかしら】





床に頭擦り付けて土下座されても余計火に油だわ、収まんない。
泣き喚こうがその手を振り払い、しがみついてきた身体を突き飛ばす。




「うぅ……沙羅ちゃん、お願い……僕の人生から居なくならないで」




なに、その泣き落とし。
泣かせた方が悪いの?
こんなに苛つかせられて、このまま傍に居ると取り返しのつかない事になりそうだから拒絶するだけ。




「要らない、伊織なんか」




最後は振り向きもしなかった。
何度か私を呼んでた気がするけど
「追いかけて来たら殺すよ?」とだけ吐き捨てた気もする。
記憶が曖昧だ。




何が一番ムカつくかって?
番号教えてる事もそうだけど、何より一番は本気で動揺した事だよ。
やましい事がある証拠でしょ。
それに取って付けたような言い訳されて、ハイそうですかって信じれると思う?




私以外と仲良く出来るならすれば良いじゃない。
勉強だって別に私が教えなきゃいけない事もない。
もう、私が執着するものでもない。




マンションの前でバッタリ出くわしたのは同じ歯学部の井口くんだった。
え、何でこんな所に居るの?
相手にする余裕ないんだけど。




「緒方さん…!ごめん、こんな所まで押し掛けて」




いや、無理。
タイミング悪過ぎ。
頼むから話しかけんな。




「なに?手短に話して」




「宿題の答え…って言えば良いのかな」




そういえばそんな話してたっけ。
何も寄りによって今じゃなきゃダメなの?
その時点でキミはアウトだよ。
苛立ちが募る。




「絶対に俺たち上手くいくと思う、というより……緒方さん以外考えられないから、付き合って…ほしいな」




「わざわざそれを言いに家まで探し当てて?ご苦労さまだね」




「いや、違っ…!家は前にグループ飲みした時に送って行ったじゃない……覚えてないか、家の前で知らない男の子が居て凄い形相で僕が連れて帰りますって言われてそのままバイバイしたんだけどね」




うわ、今その話は良いわ。
聞かなくても誰なのかわかる。
同じ歯学部でもクラスが違えば顔を合わす事も少ない。
それでなくても普段から目立つタイプじゃないし。




「あぁ、そう……」











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