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絶対的下僕の末路
第3章 【誰が休んでいいと言ったのかしら】
どう追い払うか脳がフル回転し出すけど視線の向こうで捕らえた影に思考はストップした。
あのバカ………追いかけて来たら殺すって言ったのに殺されに来たの?
どうせ此処までは来れないくせに。
気が立ってる私が何しでかすかわからないから監視しに来たの?
どの面下げて?
そんなに追い詰められたいの?
一歩ずつ井口くんに近付いて行く。
「どううまくいくの?私たち」
「うん、俺、緒方さんだったら新しい自分見つけられるかもって……」
「それは調教って事でOKなの?」
「え……あぁ……まぁ」
「煮えきらないならやめといた方が良いよ?興味本位なら迷惑なだけ」
「軽い気持ちなら此処まで来ないよ!あれから……全然忘れられなくて」
「ふーん、どんな風に?」
「え、Mに覚醒めた…というか」
着ているシャツを引き寄せ首の後ろに手を回す。
密着するから戸惑ってる?
「Mなの?ドMなの?」
「いや……それは……緒方さんが決めて」
「時間あるの?この後予定は?」
「ないよ」
「SとかMとかどうでもいいからさ、ちょっとだけ付き合ってくんない?」
「えっ!?」
ギュッと抱き締めて肩に頬を寄せる。
視線だけは隠れているつもりの伊織に向いたまま。
「すっごく虫の居所が悪いから相手してくれる?」
「え……どうしたの?」
察しが悪いな。
黙らせるべくその場で唇を重ねた。
マンションの前で通行人にも見られながら。
恥ずかしがる彼の手を引き部屋へと連れて行く。
ねぇ、どんな気持ちで見てるの?
また一人セフレが増えていく気持ちは?
「あ、あの、緒方さん」
エレベーターに乗り込み鎮まぬ怒りをぶつけようと井口くんを押し倒し唇を塞ごうとした。
剥き出しの欲望をコントロール出来ない。
誰でも良い、抱きたい。
そう思ったのに身体が宙を浮いて引き剥がされた。
井口くんと私の間に割り込み、井口くんだけを外に放り出したのだ。
「沙羅は俺のだ!指一本触れんじゃねぇ!」