この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
トパーズ
第12章 長いお別れ
「麻衣子さん、
本当にごめん。
恨むなら僕を恨んで。
先生は悪くないから」と言いながら、
山田くんは泣いている。


「俺は…顔に出るから、言わなかったんだよな?
言わないでいてくれて、
ありがとう」と、ミラノは言った。


「麻衣子、山田だって辛かったんだよ。
それなのに、1人で抱え込んでいてくれたんだからさ」と、
涙と鼻水を出しながら言う。


3人でひたすら泣いて、
私はようやく気持ちが決まった。


「ねえ、顔、おかしくなってない?」


「んー。ウサギみたいな目だし、
鼻も赤いかな?」


「先生に心配掛けられないから、
私、笑って話をするから!」
と言って、
ミラノに笑顔を作ってみる。


そして、
「岳人さん、ありがとう。
苦しい想いをさせちゃって、
本当にごめんなさい」
と言って、ハグした。


「さ、先生の処に行きましょう!
連れて行って?」と立ち上がった。



病室は一人部屋で、
スカイプでしか話したことのなかったお母様が居た。

「まあ、麻衣子ちゃん、来てくれたのね?」と言って、
ふんわりとハグをしてくれる。

「ごめんなさいね。
プロポーズしたくせに、
この子ったら…」と言って、涙ぐんでしまう。

「今日はね、だいぶ調子が良くて、
モルヒネも少なかったから、
もう少ししたら目を覚ますかも。
私、ちょっとナースステーションに行ってきますね?」と言って、
部屋から出て行った。


「俺達も、外に居ようか?」とミラノが言うけど、
「一緒に居て?」と言った。


ベッドの上の先生は、
びっくりするくらい痩せ衰えていて、
顔も土気色になっていた。

少しすると、目をそっと開けて、
私の方を見た。


「これ、夢なのかな?」

囁くような声で言う。


「あのね、北大に合格したのよ?
春から女子大生になるんだから!」


「山田も一緒に行けるんだな。
良かった…」


「ミラノだけ、京大なの」


「風光明媚なトコで、
お互いに遊びに行けて良かったんじゃない?」


「私達の結婚式は、
いつになるの?」


「うーん。
麻衣子、ごめん。
今世では無理みたいだ…」


「抱いてくれる約束は?」


「ハグなら出来るけど、
もう勃たないからな。
ごめん」とうっすら笑っている。


「受験終わったから、
ずっと一緒に居ても良いでしょ?」



/250ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ