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第13章 生まれ変わる

いつの間にか眠っていた私は、
山田くんの腕の中で目を覚ました。

「おはよ」
と小さい声で言うと、

「目を覚さなかったらどうしようと思って見てた。
眠り姫みたいだなって。
麻衣子さん、おはよう」と言って、
眩しそうな顔をして、額にキスをしてくれる。


「王子様は、唇にキスするのよ？」とクスクス笑うと、

「そっか」と言って、
啄むように軽く唇にキスをした。


「なんだか、何年も眠っていたみたい」


「そうだね。
目が覚めちゃうと、
辛くて哀しいかもしれないけど…」


「大丈夫。
岳人さんが居てくれるんでしょ？
ミラノも？」


「うん。
ミラノは昼前の飛行機で来るよ。
迎えに行こうね」


「シャワー浴びて来ようかな？」


「一緒に行くよ？」


「えっ？」


山田くんは少し紅い顔で言う。
「倒れたりしないか心配で、
いつも一緒に入ってたんだよ？」


「うわ。
恥ずかしい…。
大丈夫だから！」と言うと、

「じゃあ、コーヒー淹れておくね？
でも、心配だから、
外で待ってるよ」と言う、


「やだ。
心配し過ぎよ？
お父さんみたいじゃない？」


「お父さんでも何でも良いから。
本当にね、
中で倒れてたりしたんだよ？」


「はーい。
判りました」と言って、
バスルームに行った。


シャワーを浴びながら、
一つ一つ、気持ちを整理していかなくてはと考えた。


廊下の処で、本当に山田くんは待っててくれた。


ダイニングテーブルまで手を繋いで連れてきてくれて、
椅子を引いてくれる。


「凄い！
ハムエッグとトーストにサラダ！
これ、作ってくれたの？」


「うん。
だいぶ料理、
慣れてきたでしょ？」と笑う。


「私…。
なんでもかんでも、やって貰ってたのね？
ありがと」


「これくらいはね？
食べたら、着替えて迎えに行こう。
早くついても、
飛行機みながらのんびり待てるでしょ？」と笑った。