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トパーズ
第16章 パリへ
「あの…
もしや丘の上のあの女学校の先輩では?」と、
山田くんのお祖母様が急に祖母を見て言った。


「わたくし…茶道部の後輩で、
山田華子です」と言うと、
祖母は改めてそちらを見て、

「まあ、懐かしい。
華子さまなの?」と、
女学生に戻ったように手を伸ばして2人、涙ぐんでいる。


「卒業したら知らない方と結婚されられると仰って、
泣いてらしたのに…
とてもハンサムな方とご一緒になったのね?」と、
悪戯っぽい顔で祖母が言った。


周りはポカンとして2人を見ていると、

「本当に岳人さんは素晴らしいお嫁様を連れてきてくれたわ?
間違いない方よ?」とお祖母様はきっぱり宣言するように言った。


「三代続いて婿を迎えてきたけど、
やっとお嫁様を迎えられるなんて!
しかもお医者様だなんて!
なんなら、お家でのんびりしてらしても良いのに、
本当に、素晴らしいわ!」と言われて、
私は祖母の顔を見た。


「華子さまが居るなら、
安心して麻衣子ちゃんをお任せ出来るわね。
どうぞ宜しくお願い致します」と、
祖母は優雅に頭を下げた。


「華子さまのお嬢様は?」と祖母が訊いた。


「妻は…
少し心身が弱くて…。
伏せっております」と、お父様が言った。


祖母はサバサバしていて、
詮索をするようなことも好きではないので、

「まあ。
それはどうぞお大事に…」とだけ言っていた。



美味しい紅茶やスコーンなどをいただきながら、
パリに行く話を詰めて行った。


私の母に結婚の許可を受けたいからということで、
山田くんのご両親とお祖母様が付き添うと言う話だったけど、
お祖父様まで一緒に行きたいと言い出した。

こちらは私だけでと思っていたら、
「わたくしも行きたいわ」と祖母が言うので、
びっくりしてしまった。


「おじいちゃま、お一人で大丈夫なの?」と訊くと、
「あら?勿論、一緒に行くわ。
パリなんて、久し振りですもの」と言い出す。


大人たちが、盛り上がる中、
私と山田くんはその流れの速さに少し驚いてしまっていた。
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