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トパーズ
第16章 パリへ
部屋で少し休んで、
夕食を兼ねて両家のご挨拶をすることになっていた。


私はずっと会えていなかった亡くなった父の実家に電話を掛けた。
勿論、携帯もなくて、
昔ながらの執事が電話を取るような家だった。
中学を卒業した春休みに行って以来、
高校は何かと忙しくて一度も遊びに行けなかった。

電話とお手紙だけのやりとりだった。


懐かしいグランマの声がした。
日本から遠い異国に嫁いで、
殆ど領地からも出ることはないと笑っていた。

グランパは、
この時間は乗馬をしていると言っていた。

婚約者と一緒にパリに来ていることと、
紹介したいから一緒に家に行きたいと言うと、
とても喜んでくれていた。



夕方、祖母が部屋に来て、
また着物を着せてくれた。
今度は絽に古典柄と刺繍がされた中振袖だった。


母にも着物、着せてくると部屋を忙しそうに出てしまう。


部屋の端に座っていた山田くんが、

「僕、スーツしか持ってきてないよ?」と言いながら、

「凄く綺麗。
似合ってるよ」と、そっとハグしてキスをしてくれた。




夕食の席は、
周りのお客様からも注目の的で恥ずかしいほどだった。

写真撮らせてと、お店のオーナーさんまでやって来るし、
シェフもいちいち、
お料理の説明にやってくるし、
ソムリエも張り付いているけど、
主役の山田くんと私は勿論、
アルコールは飲めない。


乾杯だけでもとシャンパンを一口飲んだら、
顔が真っ赤になってしまって、
山田くんがオロオロしてしまった。


山田くんのお父様と山田くんから、
お嬢様をお嫁にくださいという宣言を受けて、
母と私は喜んで…と答える型通りのセレモニーの後、
美味しいお料理を堪能した。


「婚約指輪は、是非カルティエ本店で!」とピエールが力説して、
翌日に選びにみんなで行きましょうと盛り上がっていた。


「ドレスも買って帰れば?」と母が言うと、
祖母とお祖母様が「良いわね!」と更に盛り上がる。


極め付けに、
「せっかくこんなに親族が集まってるんだから、
結婚式したら?」となった。


ピエールが、
「僕が通ってる教会はどうかな?
花はうちの会社と取引しているフローリストに頼めるし…」
とてきぱき言う。


私が最初のシャンパンでクラクラしているうちに、
話はどんどん進んでいくようだった。

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