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トパーズ
第16章 パリへ
翌日は買い物一色になった。

まず、婚約指輪を買うのに、
ぞろぞろと一族で本店に行くことになる。

ピエールも花嫁の父という立場だからと、
張り切ってくれるし、
2人のお祖母様達が楽しそうで、
私と山田くんはポカンとしてしまうほどだった。


「ちょっと、ピエール?
私に婚約指輪、くれなかったわよね?」と母が言って、
一緒に買い物を始めてしまって、
大混乱になりながら、
私の手に似合う指輪を幾つか選んでもらって、
その中から山田くんに決めて貰った。


お返ししたくて、
私からはお揃いの時計をプレゼントした。


その後、ドレスを選ぼうということになり、
プレタポルテのドレス店に連れて行かれた。

あまりのドレスの量にグッタリする程だった処に、
前日、話が出来なかったグランパがグランマと腕を組んでニコニコしながらお店に現れた。

どうやら、母も連絡してくれていたらしい。

ピエールもグランパ達とは面識があるらしく、
にこやかな口調で話をしていた。


私が膝を折ってお辞儀をすると、

「ああ。
私のベベちゃん。
こんなに優雅なお姫様になったんだね?」と言って、
手の甲にキスをしてから、
ハグして両頬にキスをしてくれるグランパは、
とても高齢には見えない長身の紳士だ。

グランマはすっかり白髪になってしまっていて、
日本人なのかフランス人なのかも判らないほど、
儚い感じのおばあさまになっていた。


山田くんやその家族を紹介すると、

「うちのたった1人の孫娘だから、
くれぐれも宜しく」とゆっくりした日本語で言ってくれた。


そして、執事に合図をすると、
立派な箱に入ったティアラとネックレスと耳飾りを出して、

「我が家に伝わるもので、
代々これを身につけて結婚式をするのよ?
これに合うドレスを選びましょうね?」と、
にこやかにグランマが言った。


「本当に、ルイったらノロノロと安全運転過ぎるから、
ドレス選びに間に合わないとヒヤヒヤしたのよ?」と、
執事のルイを見ながらグランマが笑う。


物静かな父はグランパに似ていたんだろうと思った。
そして、明るいグランマは、
父よりお嫁に入ったママと似てるような気がした。
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