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トパーズ
第18章 オータム・イン・ニューヨーク
「こんなに楽しい感謝祭のディナーは、
初めてだったよ。
本当にありがとう」とミケーレは言った。


「キッチンがあったら、
手料理出来たのに…」と言うと、

「こんな可愛い手で、
七面鳥を捌けるのかい?」と笑うので、

「父方の祖父はフランスの田舎に住んでいるので、
鴨を撃ってお料理するの、
手伝ってましたよ?」と言った。

「岳人さんも、この夏、
鴨撃ち、手伝わされたでしょ?」と訊くと

「いきなり猟銃を渡されてびっくりしたよ?」と笑った。


「サムライボーイ、やっと笑ったね?」と、
ミケーレが言った。


3人でタクシーで画廊に戻った。
ミケーレが暖炉に火を起こして、
私がコーヒーを淹れた。


私の携帯のデータをプロジェクター経由で、
白い壁に写しながら観た。


ホテルでの会食の着物姿が素晴らしいと褒められて、
指輪を選ぶ真剣な顔を笑われる。
ドレスのお店にグランパとグランマが来てくれた時に、
私がグランパにぶら下がるようにしている処。
そして、グランパの古い館は、
「凄いお館だね?」と言われた。

馬に乗ってる岳人さん。
お庭のお茶会。
そして、教会での結婚式の様子を見ていて、
ミケーレが「リカ?」と呟いた。

殆ど写真には写っていなかった岳人さんのお母様が、
私達が指輪の交換をする斜め後ろに、
教会の椅子の最前列に座っていたから。


ゆっくり、私たちを見て、
もう一度、壁に投影されているお母様を見た。


「リカの娘なのか?」と私の顔と右手の指輪を見て言うので、
「違います」と答えた。


「じゃあ…」と、岳人さんを見るミケーレの目には、
涙が溢れていた。


岳人さんは、目を閉じていた。
手をギュッと握っているので、
そっとその手を上から握ると、
目を開いて、私を見つめてから、
ミケーレの顔を見て、

「僕は、リカコの一人息子です」と静かに言った。


「私の息子…なのか?」と言って、
手を伸ばそうとするのを止めて、

「僕の父は、
あそこに写ってる人です」と岳人さんはきっぱりと言った。


「そうか…。
リカは、元気なのか?」と訊く。


「少し心身のバランスを崩してしまいましたが…
元気ですよ」と答えた。


ミケーレは、
「元気なら良かった。
そして、リカの息子にも会えて良かった。
本当にありがとう」と、
涙を流しながら言った。
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