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トパーズ
第18章 オータム・イン・ニューヨーク
「こんなに?
申し訳ないです」と言うと、
「娘に買い物をしている気持ちになれたよ?
ありがとう、マイコ」と言いながら、
額にキスをした。

脱いだ服もショッパーに入れて、
ホテルと岳人さんの名前と部屋番号を伝えた。


近くのオイスターバーで軽い食事をする。
私は飲めないけど、
岳人さんはミケーレに付き合って、
少しだけイタリアの白ワインを飲んでいた。


横顔や声、
確かに似ていると思ったら、
涙が出てきてしまう。


「マイコ、どうした?」と、ミケーレが覗き込む。

「大丈夫?」と岳人さんも心配そうに手を握る。


「私…これからもミケーレに会いたいよ?
だって、確かに岳人さんのパパだよ?」と日本語で囁いた。

山田くんは、なんて言ったら良いか決めかねているようだった。


「ごめん。
暴走したよね?」と言って、

「なんか、美味しくて感激しちゃった」と、
涙を拭きながら笑った。

ミケーレは頬を優しく撫でて、
「マイコは本当に可愛くて、
タケヒトは幸せだな?」と言った。



老舗のジャズバーは、
ボーカル無しのインストルメンタルばかりの演奏だったけど、
本当に上手いし、楽し過ぎて、
音楽に酔ってしまったような感じだった。

勿論、私はジンジャーエールだったけど、
岳人さんは思ったより飲める方だったみたいで、
水も飲みながらだったけど、
白ワインをミケーレと飲んでいた。


お店のノベルティ売り場で、
ミラノへのお土産を選んだ。
黒田先生へのお土産も選んで、
次に東京に戻ったらお供えしようねと言った。

その売り場でギターの弦を見つけたので、
一緒に買うことも出来た。


鼻歌を歌いながら、
画廊に戻った。


私は手慣れた感じで奥まで入って、
コーヒーを淹れる準備をした。

ミケーレは先に古ぼけたギターケースを岳人さんに渡してから、
暖炉の火を起こした。

早くに出掛けたせいか、
室内は思ったより寒くて、
コートを着たまま、
暫くコーヒーカップを抱えていた。


岳人さんは、溜息をつきながら何かを呟いて、
弦を張り替えて調弦した。
少し弾いては、また調弦する。


新しい弦は、
すぐにチューニングが狂うから、
なかなか安定しないみたいだった。
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