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トパーズ
第19章 結婚披露宴とその後
翌日、山田くんはチケットをビジネスクラスに変更してた。
なるべくゆったり、圧迫しないようにという配慮らしかった。

そして、荷物を車に載せて空港に向かう時、
ドラッグストアで検査薬を買って東京に向かった。


羽田からひとまず、私の家に行ってから、
山田くんはお父様に電話をした。

大切な話があるからと言って、
ここに来て貰うことにした。

日曜日ということもあって、
程なく車で来てくださった。


「元気そうだね?
ちょっと大人っぽくなったかな?」とお父様に言われる。

コーヒーを淹れて、
ダイニングテーブルに座って話をすることにした。
自分用には焙じ茶を淹れた。


「11月下旬の連休に、ニューヨークに行ってきたんだ」と、
山田くんが口火を切った。

「そうか。
会えたのかな?
お元気だったの?」と穏やかな口調で訊かれた。


歳を取ってしまって脚を引き摺っていたけど、
元気そうだったこと。
家族は居なくて一人でいること。
画廊はそろそろ締めてリタイアすると言っていたことなどを伝えた。


「僕の父親は、お父さんだけだって言ってしまいました。
でも…確かに血縁関係はあるってことは判りました」


「あの…事後報告で申し訳ありませんが、
私、勝手に誘って、
一緒に食事したり、出掛けたりしました。
もうどうせ会わないからって言うから、
ちゃんと話した方が良いと思って、
最後の夜は3人でホテルにも…」


「麻衣子さん、ありがとう。
そうでもしないと、
岳人は僕に遠慮して、
何も話さないまま終わってただろうから…」


「お母さんのことは愛してたって言ってました。
今でも愛してるって。
でも、お父さんとお母さんが愛し合って幸せなところを壊したり、
間に割って入るつもりはないって。
当時、お母さんはお父さんに放置されてるって思い込んでて、
あまりにも寂しそうだったからって…
お母さんの古い写真と手紙も渡されました」


「そうだな。
僕は口下手だったから…」


「お父さんのことを、
僕と同じでサムライは無口だけど、
お母さんのことも僕のことも、
心から愛してるんだって言ってたよ…」


私は立ち上がって、後ろから山田くんを抱き締めた。


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