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トパーズ
第19章 結婚披露宴とその後
コーヒーポットからコーヒーを注いで3人に出した。

私はホットチョコレートのカップの蓋を開けて、
息を吹きかけながら飲もうとして、
「熱いっ!」と小さい声で言うと、
3人が同時に「大丈夫?」と言うので、
笑ってしまった。

「麻衣子さん、火傷に気をつけてね?」と岳人さんが言う。


「3人共、温かいうちにコーヒー召し上がってくださいね?」と言うと、
3人同時にカップを持った。


「お会いしたこと、ありましたよね?
ニューヨークの私の画廊で…」

「はい。
一度だけ伺ったことがありました」

「あなたには申し訳ないことを…」

「いいえ。
そんなことはありません。
梨香子に幸せな気持ちを与えてくださって、
感謝しています」と静かにお父様は言った。


「あの…
私達、席を外しましょうか?」と言うと、

「2人にも聞いて欲しいから…」と続けた。


「僕は婿養子で、後継ぎをなんとしても作らなければいけないというプレッシャーや、
梨香子さんに対しても引け目のような気持ちがあって、
お恥ずかしい話だけど、
一時、インポテンツだったんですよ。
おまけに、態度だけでなくて、
言葉でも愛していると言えず、
とても不安な気持ちにさせていました。
仕事で成果を出して、
少しでも男らしい処を見せたいと気負ってニューヨークに来て、
更に仕事ばかりになってしまいました。
そんな時に、ミケーレさんは梨香子に対して、
女性として愛される幸せを与えてくれました。
それだけでなく、岳人も…」

「お父さん!」


ミケーレは静かに、
「タケヒトの父親は、
あなただけです。
私は、存在すら知らずにいて、
父親としての責任も果たしてこなかった」
と言った。


「子供が出来たと梨香子に言われた時は、
本当に天にも昇る心地でした。
ちょうど研究の仕事もひと段落して帰国するタイミングでした。
あなたの存在は…知ってはいました。
だから、一度、画廊に伺いましたが、
何も言えませんでした。
梨香子も何も言わなかったので、
私は心のどこかで2人のことを疑いながらも、
都合よく、会話を楽しんだり、
美術の話をしたり、
食事をしているだけだ。
年齢も父親ほど離れている。
そう思い込むようにして、そのまま帰国しました。
梨香子も何事もなかったようにしてましたから」





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