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トパーズ
第19章 結婚披露宴とその後

「でも、産まれた岳人を見て、
すぐに判りました。
父親が誰なのかということを。
周囲の家族も、違和感を覚えていたと思います。
でも…梨香子は本当に無邪気に岳人のことを、
『なんて可愛らしい赤ちゃん!
天使のようね?』と私や家族に言うのを見ていると、
出生に対して何かを言うということは全くなくなりました。
梨香子から産まれているということは、
山田家の血筋であるということなので、
父親が僕でなくても大した問題ではなかったのかもしれません」
そこまで言うと、
お父様はコーヒーを一口啜った。
「岳人のことは、心から可愛いと思っていて、
愛していました。
隔世遺伝もあるし、
僕にも梨香子さんにも似ていなくても、
やっぱり2人の子供だとさえ思っていました。
ただ、どうしてももう1人、子供を作りたい。
確かに自分の子供だと確信出来る子供を作りたい。
そう思って、それまでより梨香子さんと愛し合うようにはなりました。
でも、結局、子供は授からず、
調べてみたら私には子種もないということが判明しました。
梨香子さんはやがて…
僕の愛情を疑うようになりました。
浮気していると詰るようにもなり、
そして、子作りの為だけに、嫌々自分を抱いていると言うようになり、
私を遠ざけるようになりました。
その一方で、ミケーレという名前を口にするようになって…」
「お父様…もう…」
私は聞いているのが辛過ぎて、
涙が止まらなかった。
「麻衣子さん、すまない。
大切な時期なのに、こんな話はするべきではないね?」
と日本語で言った。
すぐに判りました。
父親が誰なのかということを。
周囲の家族も、違和感を覚えていたと思います。
でも…梨香子は本当に無邪気に岳人のことを、
『なんて可愛らしい赤ちゃん!
天使のようね?』と私や家族に言うのを見ていると、
出生に対して何かを言うということは全くなくなりました。
梨香子から産まれているということは、
山田家の血筋であるということなので、
父親が僕でなくても大した問題ではなかったのかもしれません」
そこまで言うと、
お父様はコーヒーを一口啜った。
「岳人のことは、心から可愛いと思っていて、
愛していました。
隔世遺伝もあるし、
僕にも梨香子さんにも似ていなくても、
やっぱり2人の子供だとさえ思っていました。
ただ、どうしてももう1人、子供を作りたい。
確かに自分の子供だと確信出来る子供を作りたい。
そう思って、それまでより梨香子さんと愛し合うようにはなりました。
でも、結局、子供は授からず、
調べてみたら私には子種もないということが判明しました。
梨香子さんはやがて…
僕の愛情を疑うようになりました。
浮気していると詰るようにもなり、
そして、子作りの為だけに、嫌々自分を抱いていると言うようになり、
私を遠ざけるようになりました。
その一方で、ミケーレという名前を口にするようになって…」
「お父様…もう…」
私は聞いているのが辛過ぎて、
涙が止まらなかった。
「麻衣子さん、すまない。
大切な時期なのに、こんな話はするべきではないね?」
と日本語で言った。

