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トパーズ
第3章 ジャズ同好会
金曜日は大抵、私の家に集まって練習をした。
山田くんも来るようになった。

そして、山本先生が家庭教師をしている時は、
ドアを開けておくのが暗黙のルールになっていた。


山本先生は、淡々と理系科目を教えて帰っていった。
勿論、何もしないし、何も言わない。

多分、私のことはもう、どうでも良いと思ってるんだろう。
終わったんだなって感じてた。


山本先生が帰った後に、
みんなで遅い夕食を取ることも多かった。

大抵、黒田先生と私とで作って、
わいわい食べた。

わいわいと言っても、
山田くんはいつも静かに何も言わずに食べていた。


ある日、先生が思いがけないことを言った。

「知り合いのジャズバーで、
練習がてら、演奏してみない?
勿論、ノルマはないけど、
ギャラもない」

「わー!
やってみたいです!!」

「面白そうだな?
俺、ウッドベースでやりたい。
山田はどう?」

「まあ、良いんじゃない?」とつまらなそうに言う。


「じゃあさ、期末終わった後のどこかで、
金曜か土曜の夜にしようか?
日程決めとくな?
上手くマスターに気に入られたら、
定期的にやれるぞ」と言った。


「ウッドベース、ここに持ってきても良いかな?
兄貴が神経質で、
音、出せなくてさ。
弦も張り替えないとな」とミラノは言う。


「インストルメンタルの構成のと、
麻衣子のボーカル入れた構成の2パターンを試したいな。
麻衣子と山田のデュオでも良いしな?」


「バンドの名前と、それぞれの芸名、
考えよう。
一応、学校には…見つかりたくないしな?」と、
黒田先生が笑う。


「ミラノはミラノで良い?
山田って、下の名前は何?」

「太郎です」

「嘘つけ!違うだろう。
岳人じゃなかった?
山に因んだ名前だよな?」

「でも、まこに誘われて山岳部に体験入部して、
3日目に辞めたよ?
僕、体育会系、苦手だから」と珍しく笑った。

「そういえば、まこちゃんと仲、良いよな?」

「小中、一緒だったし。
だから放送委員に連れてこられたんだ」

「ふーん。タケヒトくんね?
でも呼びにくいから、山田くんで良いよね?
それより何が良いかな?
アントニオで良いかな?」

「プロレスラーみたいじゃない?」

「じゃあ、アンソニーで!」

「まあ、良いけど」と、やっぱりつまらなそうに山田くんは言った。
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