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トパーズ
第8章 それぞれの事情
午前0時に、改めてシャンパングラスに注いだジンジャーエールで乾杯した。

思いがけずプレゼントまで用意してくれていた。


ミラノは、クロスステッチでイニシャルが刺繍されたジュート製のトートバッグで、
お母様に習いながら自分で刺したと聞いて、びっくりしてしまった。

「ちょうど譜面とかノートが入るサイズだよ」


「流石、女子力高いね」と言うと、
照れ臭そうに笑う。

「みんなも、誕生日言ってくれたら、
作ってやるぞ」と言うので、
大笑いしてしまう。


山田くんは、
「これ…」と重たい大きい箱を渡してくれる。

「えっと…すぐ使えるか判らないから、
後で開けて?」


「見たいなぁ」とミラノが言うけど、

「判った。
後で開けるね?」と言った。


「俺からはこれ…」と、
小さい箱を黒田先生が出す。

そして、箱を開けると跪いて私の右手の薬指にそっと嵌めて、
手の甲にキスをした。


「そこは、左手じゃないんだ?」とミラノが言う。


「左手なら、
キラッキラのダイヤの指輪を贈りたいから、
今日は右手!」


「この石は?
わざわざ探してくれたの?」


「うん。
麻衣子の白い手に似合う杏子色のトパーズにしたよ」


「インペリアルトパーズね?
嬉しい。
ありがとうございます。
大切にする!」と言って、
2人の目の前で先生の首に腕を巻きつけてキスしてしまった。



「目の前でそんなキスされたら、
俺、熱が上がりそう。
もう、寝る!」とミラノが言うので、

「ごめん。おやすみ。
ゆっくり休んでね?」と言って、
私はトートバッグと大きい箱を手に、
ミラノの部屋を後にした。



リビングに戻ると、
「もう少し何か飲もうか?」と先生が言うので、
焙じ茶をマグカップに3つ用意した。



「すっかり山田のお父さんには世話になっちゃったな。
優しそうなお父さんだね?」と黒田先生が言った。


「話をしたの、久し振りだったんです。
父ではないし」


「えっ?」


「2人の顔、見たでしょう?
あんな平たい顔の2人から、
こんな顔、出てこないですよ」


「あの方がお母様だったの?」


山田くんは頷いた。


「そうだったの…」


私は能面のような冷たい目を思い出して、
ゾクリと身体を震わせてしまった。

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