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トパーズ
第8章 それぞれの事情
山田くんは、ポツリポツリと話を始めた。


「父がアメリカの大学の研究室に行ってた時、
することもなくて家に残されてた母は、
最初は寂しさから、
ぶっきらぼうで無口な父と違って、
大袈裟な身振り手振りでお姫様扱いしてくれて、
愛の言葉を平気で口にする欧米人と浮気をした。

日本に帰国してから僕が生まれたら、
日本人とは思えない顔だったわけ。
父の子供だって言い張ったり、
浮気はしてたけどどっちの子供か判らなかったって泣き喚きながら父と喧嘩してる声、聞いたこともあるよ。

その後、関係を修復しようと父は努力してたらしい。
仲良くして、ちゃんと子供を作って…
そう思ってたけど、一向に授からなくて、
調べたら父には子種がなかったって。

それからの家は、
本当に地獄になった。

父は仕事以外は、書斎に籠ってる。
食事とかも一緒にしなくなった。

母は…
どんどんおかしくなっていった。

父に泣きながら縋り付くこともあった。
僕が居るのに、
服を脱いで、父に跨ったりするようなこともあったけど、
父は拒絶してた。

ヒステリックな物を投げたりすることもあったし、
僕のことをぶったりすることも。
でも、その後で、
「ごめんなさい。ごめんなさい」って泣きながら撫でてキスしたりするんだよ。

精神が壊れていってたんだと思う。

父はそれに対して耐えられず、
でも何も出来なくて、
見ないふりをするようになっていった。

看護婦さんと浮気してるって母は父を責めてたけど、
母のヤキモチからの妄想だったと思うよ。

僕が大きくなっていくと、
更に欧米人的な顔立ちになってきたら、
多分、父は僕のことを見るのも辛くなったのかもしれない。

それで、話をすることも、
顔を合わせることもなくなった。

母は、能面みたいに無表情になっていって、
家事もしなくなったから、
歳を取った家政婦さんが住み込みで家のことをするようになった」



「でも…
さっき、お父様、言ってたの。
岳人さん、最近明るくなった。
ギター聴いてるとそれを感じたって。
お父様は、ストレートに直接、声を掛けるのは苦手かもしれないけど、
確かに岳人さんのことを想っていて、
少し遠くからそっと成長を見守っていると感じたよ?
それ、愛情だと思う」
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