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トパーズ
第8章 それぞれの事情
涙が止まらなかった。
でも、なんと言ったら良いのかも判らなかった。


「山田、俺の家に来るか?
部屋は空いてる。
妹が飛び降りした事故物件で良ければな?」と、
少し茶化した顔で黒田先生は言った。


「えっ?」


「あのさ。
聞いてしまった以上、
放置出来ないよ。
山田が女の子で、
父親から同じことされてたら、
速攻保護される案件だよな?
男の子だって同じだよ。
でも、その歳じゃ、
児童相談所って訳にもいかないし、
家の体裁とかもあるだろう。
下宿するってことでどうかな?
俺がお父さんと話をするよ」


「でも…」


「お前、まだ17歳だろ?
大人のつもりみたいだけど、まだ子供なんだから、
我慢することもないし、
甘えなさい。
理系は教えないから、利害関係もないだろう。
問題なら、俺の祖母の家、近いから、
そこでも良いし」


山田くんは拳を握り締めて頭を下げていた。
手の甲にポタポタと涙が落ちているのを見て、
私も更に泣いてしまう。


「ほら。
まさか、ここに住まわせる訳にもいかないだろ?
週末だけ、みんなで一緒なら良いけどさ。
麻衣子は山田にキスするし、
俺、心配で眠れなくなるから」と言って、
私の肩を引き寄せて、額にキスをする。


「だからと言って、
俺がここに住む訳にもいかないからさ。
山田が俺の家で下宿する。
それで良いじゃん。
卒業したら、一人暮らしすれば良いよ。
一人暮らしの予行練習出来るしさ」


山田くんは、
「ありがとうございます」と言って、
ぎこちなく笑った。


「よし。
取り敢えず寝るか。
それで、明日、山田の家に行って話をして来よう。
良いな?」



山田くんは少しホッとした顔をした。


「私…今日は岳人さんと寝る!」と言うと、
黒田先生と山田くんがびっくりして私を見る。


「純一さんも一緒に寝よう!
なんか、心配で、
1人で眠らすことはできない。
みんなで、手を繋いで寝よう。
良いでしょ?」


「んー。
良いけどさ。
1人に出来ないってことは、
山田を俺たちで挟んで寝るの?」


「そうだよ。
両方から手を繋いで寝よう。
ダメ?」


「なんか、訳わかんないけど、
良いよ。
麻衣子がそうしたいなら。
和室で雑魚寝するか?」

そして、その夜は、
旅館みたいにお布団を敷いて、
3人で眠ることにした。
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