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トパーズ
第9章 予期せぬ客
山田くんの家は、大きい総合病院で、
産婦人科もあった。

予め、山田くんが電話をしてくれていたみたいで、
お父様から産婦人科に話をして貰っていたから、
すぐに診察をしていただけた。

多分、女の先生をと言ってくださっていたようだった。


DNAを調べる為、残留した体液を採取すると言っていた。
念の為にと私の血液検査もしたのは、
飲まされた薬を特定して、必要なら胃の洗浄もすると言っていた。
ただ、もう普通に動けるようにはなっていたから大丈夫なようだった。
詳しいことは、黒田先生に説明してくれると言っていた。

手首や足首も、
擦過傷と痣になっていたので、
塗り薬を出されて、
写真も撮られた。


最後に膣の中を洗浄されて、
家で眠れるようにと、
睡眠導入剤と安定剤も出してくださった。


全てが夢の中のようだった。
本当に夢だったら良かったのに。


そう思うと、
涙が溢れて、
身体が震えてしまう。


黒田先生がお医者様からの話を聞いている間、
山田くんがずっと手を握っていてくれたけど、
震えがおさまることはなかった。

エントランスまで出て来てくださった山田くんのお父様は、
これを…と言って、
インフルエンザの診断書も書いて持たせてくださった。


「これを提出すれば、
今週は学校、休めるでしょう?
大変なことがあったんだから、
ご両親様と静かに家で過ごすと良いですよ」



私は黙って静かに頭を下げた。
山田くん、本当にお父様と話をしてないようで、
私の家のこともご存知ではないんだと思った。


「ほら、岳人もこれ…」と、
同じものを持たせているようだった。




帰宅して、
「麻衣子、風呂に入っておいで?
一緒に入るか?」と訊かれたけど、
「大丈夫です」と答えた。



身体をゴシゴシとスポンジで洗っても、
まだ手や唇、舌で触られた痕が残っているように感じて、
皮膚が赤くなるほど、擦った。

バスタブに浸かっていると、
先程の光景が目に浮かんで涙が溢れる。


手首に出来た傷や痣を見ながら、
ここを掻き切ってしまえば、
死ねるのかな?
そしたら、忘れられるの?

そんなことを考えてしまう。





「…麻…
おい、麻衣子…
大丈夫か?」


遠くで黒田先生の声がするような気がする。
でも、真っ暗で身体も動かない。


私…
死んじゃったのかな?


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