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そぶりをやめて
第3章 3週間
いつもの薄明かりかと思って寝室を開けると、読書灯を煌々とつけて佳佑が雑誌を読んでいた。
さっきまで丸まって寝ていたのに、すっかり起き上がって体を起こし、ヘッドボードのほうに体を預けている。

「びっくりした!」

もうすっかり寝てしまっていると思ってた。

佳佑はそんな汐里をチラリと見たかと思うと、すぐ見ていた雑誌に視線を戻す。

何を必死に読んでいるのかと思ったら、地方雑誌だ。
主に地域のグルメとか、田舎の町おこし的な観光地なんかが掲載されている。

「明日さ、ここに行ってみねぇ?」

「んー、どれどれ?」

市内からは少し離れた山奥にある、古民家を改装したレストランだ。
和風フレンチらしい。
3年ほど前に出来たオシャレスポットなんだとか。

「あー、行った事ないけど、ここ知ってる」

確か、ゆーなの親せきが結婚式をあげたって言ってた。
建物は勿論、裏にある竹林が素敵で、めっちゃ素敵な所だって写真をいっぱい見せてもらった覚えがある。

「でも、予約がいるんじゃない?」

日曜日なんかは、人気がありそうだ。
コロナで、人数制限なんかもありそうだし。

「そうか、残念」

明らかにしゅんとした佳佑が、面白い。

確か、お客さんと会話するのに、地元のお店巡りをしたいらしい。
5年ほど離れていたので、情報の更新が必要なのだ。

「確か同じ敷地内に、カフェがあるってー」

スマホで検索すると、すぐ出てきた。
レストランと同じ系列の、古民家カフェ。

ケーキやジェラードメインのカフェだが、軽食も置いている。
店内が広めなのか、このコロナ禍でもイートインをやってるみたい。

こっちなら、予約は不要のようだ。

「決まりだな」

読書灯を消して、2人それぞれの布団に潜り込む。
ダブルベッドだが、掛け布団はそれぞれシングルをかけて眠る。
布団に丸まって眠ってしまう佳佑の性質上をみて、汐里が提案した。

「あ、でも明日は指輪を取りに行かなきゃ」

サイズ調整と刻印を済ませた結婚指輪を、明日取りに行く予定なのだ。
指にはめて最終チェックをするため、2人で取りに行かないといけない。

「夕方までには、行けるだろ」

背中を向けて眠ったと思ったのに、佳佑のささやくような声が意外にも耳元でした。

「!!」
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