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そぶりをやめて
第19章 250日
2人並んで洗い物をして、片づける。
そして、ソファに並んで座ってバラエティを見ながらデザートを食べる。

「汐里、そっちも食べたい」
「えー」
「ほらチョコのも、食べていいから」

佳佑がチョコプリンをテーブルに置く。
汐里が食べていた固め焼きプリンをしぶしぶ差し出して、佳佑がひとすくい取ると、さっと抱え込む。

「うっわ。けっちぃ」
「だって美味しいんだもん」

何かを思い出したのか佳佑が笑いだす。

「あの時もプリン抱えて食べてたよな」
「えー。いつ?」

聞けば、久しぶりに呼び出されて会って、その日にいきなりプロポーズしてきた日の事だ。

「そうだっけ」

また食べられてはと、美味しさを堪能しつつ急いでプリンを食べる。

あの日のことは、衝撃的な後半はそりゃ覚えてるけど。
その前のプリンのことなんか覚えてない。
デザートをいくつか食べたのは記憶にあるけど。

急にその後半のことが色々思い出されて、なんとも気恥しくなってきた。

空になったプリンの容器とスプーンを洗うため、カウンター内に急いで逃げてきた。

「洗うから、早く食べて」

意外と佳佑のほうが、そういう事を覚えてたりする。
結婚して何日の記念日とか。

「俺は覚えてるけどね。あの日の事は鮮明に」

流しに立つ汐里を後ろから抱きしめるようにして、佳佑が空の容器とスプーンを運んできた。

ビクッとなった手からスポンジが奪われて、そのままの体勢でスプーンを洗ってる。

「もっと、ちゃんとしたプロポーズしたら良かったって、今は思うよ」

汐里の泡まみれの手と共に、佳佑の手が水を出して2つのスプーンを洗ってゆく。

「...ちゃんとって?」
「うーん。そう言われると...、なんだろ」

あの時は、あれが精一杯だったと汐里にも想像がつく。
というか、他に言いようもなかったような。

スプーンを考えをめぐらしている佳佑の手からとって、水切りカゴに置く。
手を拭いて、佳佑の腕の中、くるりと向き直った。

「感謝してるよ。あの時提案してくれて」
「おっ、おお...」

急に振り返ったのと、イキナリの感謝に驚いた顔をしている。
それから何とも言い難い顔をしてる。

「...それって、結婚して良かった...って、こと?」

そんな覗き込まれても。
それに、いい加減、流しについた両手を離して欲しい。
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