この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
そぶりをやめて
第4章 1ヶ月と3日
系列施設のレストランやその周りの庭など、景色の良いところで、写真を撮ってくれる。
衣装やヘアメイク付きで、コースにもよるが半日ほどで終わる。

...はず、だけど。

「今日こそ俺、カレー食べる」

前回来た時は、1日20食限定カレーが売り切れていた。
隣の席の人たちの注文で終わったらしく、カレーのいい匂いだけ体験したのだ。

「えー、もう無理じゃない?」

時計もスマホもないからハッキリ分からないが、ランチのピークはもうとっくに過ぎた頃だろう。

「そうかな〜。あー、腹減ったー」
「ほんと〜。今ならケーキが5個は食べられるわ」
「5個!?ケーキばっかり?」

佳佑が、からかうように軽く肩をぶつけてくる。
もちろん、ぶつけ返す。

「ピザも勿論食べるよ!」
「それは流石に食べ過ぎだろ〜」
「えー、ランチのピザって小ぶりだったよ〜」

1人前なので、そんなに大きくなかったとー。

片手はつないだ手のまま、自由な片手と一緒に丸を作る。

「このぐらいでしょ」
「充分でかいわ! ...いやでも、今なら5枚ぐらいいけるかも」
「5枚!?それこそ多すぎ〜」

しっかし、いつまで撮るのだろうか。
もう結構な枚数撮ったんじゃないだろうか。

「あれ、カメラマンさんは?」

さっきまで少し向こうで転がって撮っていたはずなのに、姿が見えない。

「はい!オッケー!」

2人のすぐ後ろで声がして、慌てて振り返る。

「...びっくりした」

マスクに全身黒っぽい衣装で汗だくになってるカメラマンさんが、芝生どころじゃない葉っぱやホコリだらけで現れて驚かないわけない。

頑張ってくれてるのは分かるけど。

「いやぁ、いい写真が撮れましたよ〜」

カメラのモニタで、撮ったばかりの写真を見せてくれる。

見つめ合う2人の姿を、眩しい光が逆光となって、シルエットとして浮かび上がらせている。

「おお〜!」「綺麗!!」

実際してるのは、ケーキやらピザのハナシとかなんだけど。
しかも、軽く口論なんだけど。

でも、知らない人が見たら、すごくそれっぽく見えるだろう。
サスガだ。

遡って、芝生のや、ジャンプのと、その他ぜんぶ、早送りぐらいのスピードで見せてくれた。

無茶なポーズと思ってた写真がどれも素敵に撮れている。

変人とか思ってゴメンなさいだわ。
/240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ