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そぶりをやめて
第4章 1ヶ月と3日
着替えをすませて、カフェへと急ぐ。
このエリア一体が同じグループ系列らしいが、敷地が広く山の中に建物がぽつぽつあるので、車で回らないといけない。

駐車場に止めて、カフェとケーキ店が並ぶ古民家に走る。
やはり時間は2時を過ぎていて、ランチの時間ギリギリだろう。

カフェの入り口に立て掛けている黒板のカレーの文字の上には、やっぱり”売り切れ”の札が張り付いていた。

軽くうな垂れた佳佑の背中を押し込むようにして、店内に入った。

「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」

前回来た時と同じ店員さんが、にっこり笑って迎えてくれる。

この女性、背が高くすらりとしていて、立ち振る舞いが優雅だ。
ごく普通の白いシャツがめちゃお洒落に見える。
元モデルさんとかかしら、と勝手に思っている。

案内され、景色のいい奥の畳の部屋に向かう。
襖で仕切られたいくつかの部屋があって、座卓がぽつぽつと置いてある。
コロナでなければ、もう少し沢山並んでいるのだろうと思われた。
2階はテーブル席やカウンター席になっている。
前回はかなり待った挙句、景色とは無縁の場所だった。
今回は時間帯なのか、多少すいている。

汐里たちの案内された今回の席は窓際で、ガラスの向こうに広めの濡れ縁が見えた。

よっこいしょ、と座布団の上に座る。

ふー。疲れた。

出されたお冷を、2人とも瞬く間に飲み干す。

「そろそろお越しかな、って思ってましたよ」
「?」

お冷を継ぎ足してくれているのだが、伏し目がちのそのまつ毛がめっちゃ長くて綺麗で、思わず見とれてしまう。

つけま? 違うよね。
...って、いうか、今なんて?

気を抜いていたから、理解が追い付かない。

「お写真、いいの撮れました?」

ええ!覚えてくれてたんだ!

佳佑も、注いでもらったお冷を飲みながら驚いている。

前回来た時に、このカフェに置いてあったウェディング・フォトの案内パンフをたまた見つけて。
暇つぶしに見たそのパンフのサンプル写真が、どれもとても素敵だった。

その素敵な写真の数々を見て、是非同じような写真を、と今回お願いしたのだ。

「あ、ありがとうございました。なんとか撮れました。今終わったとこで」
「ご紹介ありがとうございます」
「よかった~。お天気もね、心配してたんですけど。いい天気で良かったですよね」
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