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そぶりをやめて
第4章 1ヶ月と3日
3組ほど待ったので、ゆっくり選ぶ時間があったのに、それでもまだ決めきれない。
「このチェリーのパイと〜」
悩みまくって、めぼしいものを5個注文。
「そんなに食えるの?」
これでも、心配そうな佳佑に免じて5個にとどめたのに。
箱に詰めてくれる間も、ショーウィンドウの中を観察。
カラフルなお花が乗った小さなホールケーキがあって、すごく可愛い。
これカットしたやつなさげ。ホール限定かな。
食べたかったかも。
いや、やっぱり色んな味を食べたいか。
「遅くなってすいません。例のやつ、頂いて帰ります」
どこかで聞いた事のある声がすぐ横でして、振り返る。
「睦美ちゃん!待ってたよ〜!遅かったね」
睦美と呼ばれたのは、さっきの綺麗な店員さんだ。
白いシャツから、ラフなワンピースに着替えていて。
束ねていた髪も解いて、これまた雰囲気が違う。
声がするまで、隣りに立っていたことに気づかなかった。
こちらが気付いたことに、気付いたようで、にっこり笑顔で会釈をされた。
「これでいい?ローソクは2本つけとくけど」
おそらく、ケーキの上のプレートを確認の為箱をお店の人が開いてこちら側に見せて、“睦美”さんが確認している。
気になって、さり気なくチラリと箱の中身を伺う。
汐里が気になったお花のホールケーキに“2nd Anniversary”と読めた。
「ありがとうございます!」
「...何かお祝いなんですか?」
あ、しまった。
思ったことがつい口に出た。
変な顔をされるかと思ったが、にっこり笑い返してくれた。
「結婚記念日なんです」
「えー!おめでとうございます〜!」
佳佑に腕の辺りをつつかれたが、気にしない。
一応小声だし。
「ありがとうございます」
「“2nd”ってことは、2年目ですか?」
すごいラブラブだったから、新婚さんかと思ったけど。
いや、2年目って新婚?
「そうなんですよね〜」
「素敵な旦那さんですよね。さっき、ちょっとお見かけして」
「航平、また来てたの?ほんっと、好きだね〜」
そう話に割り込んできたのは、ケーキ店のイケメン店員さん。
明るい髪に、ワイルドさもありながらも、話す言葉は柔らかい。
コックコートを着ているものの、捲りあげた袖から見える筋肉は、パティシエの域を超えている。
「このチェリーのパイと〜」
悩みまくって、めぼしいものを5個注文。
「そんなに食えるの?」
これでも、心配そうな佳佑に免じて5個にとどめたのに。
箱に詰めてくれる間も、ショーウィンドウの中を観察。
カラフルなお花が乗った小さなホールケーキがあって、すごく可愛い。
これカットしたやつなさげ。ホール限定かな。
食べたかったかも。
いや、やっぱり色んな味を食べたいか。
「遅くなってすいません。例のやつ、頂いて帰ります」
どこかで聞いた事のある声がすぐ横でして、振り返る。
「睦美ちゃん!待ってたよ〜!遅かったね」
睦美と呼ばれたのは、さっきの綺麗な店員さんだ。
白いシャツから、ラフなワンピースに着替えていて。
束ねていた髪も解いて、これまた雰囲気が違う。
声がするまで、隣りに立っていたことに気づかなかった。
こちらが気付いたことに、気付いたようで、にっこり笑顔で会釈をされた。
「これでいい?ローソクは2本つけとくけど」
おそらく、ケーキの上のプレートを確認の為箱をお店の人が開いてこちら側に見せて、“睦美”さんが確認している。
気になって、さり気なくチラリと箱の中身を伺う。
汐里が気になったお花のホールケーキに“2nd Anniversary”と読めた。
「ありがとうございます!」
「...何かお祝いなんですか?」
あ、しまった。
思ったことがつい口に出た。
変な顔をされるかと思ったが、にっこり笑い返してくれた。
「結婚記念日なんです」
「えー!おめでとうございます〜!」
佳佑に腕の辺りをつつかれたが、気にしない。
一応小声だし。
「ありがとうございます」
「“2nd”ってことは、2年目ですか?」
すごいラブラブだったから、新婚さんかと思ったけど。
いや、2年目って新婚?
「そうなんですよね〜」
「素敵な旦那さんですよね。さっき、ちょっとお見かけして」
「航平、また来てたの?ほんっと、好きだね〜」
そう話に割り込んできたのは、ケーキ店のイケメン店員さん。
明るい髪に、ワイルドさもありながらも、話す言葉は柔らかい。
コックコートを着ているものの、捲りあげた袖から見える筋肉は、パティシエの域を超えている。