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そぶりをやめて
第6章 100日後
コト、コト、と隣の部屋から、静かな物音がする。
お味噌汁のいい匂いも。
汐里は、ベッドの中で寝返りを打つ。
いつもなら目が覚めない時間だろうとは思うけど、何時だろう。
手探りでベッドの棚にあるスマホを探す。
まだ6時前だ。
でもなんだか目が冴えちゃった。
このところ、なんだかんだと早めの時間に、佳佑にベッドに誘われる。
いっちばん初めは、「パジャマが見当たらない」だった。
朝洗ったパジャマが、部屋干しでは梅雨のこのシーズンで乾き切ってなくて。
替えにしているパジャマの場所が分からないとかで。
パジャマというか、普通のTシャツだし。
どれでもいいと思うんだけど、佳佑的にはこだわりがあるらしい。
たしかにその特徴のTシャツは、汐里が畳んで、ベッド下の収納へ仕舞った。
風呂上がりでパンツ姿の佳佑を引き連れて、寝室へ行ったからか。
Tシャツを探し出した頃には、ベッドに引き入れられていた。
汐里は、まだ風呂にも入ってなくて。
台所の洗い物の途中だったのに。
次々と佳佑が繰り出すヘンテコな言い訳に、汐里も笑ってしまって、ふざけ合いながらコトに及んだ。
ああ、あの頃からかもしれない。
佳佑が、何だか楽しみを見出しはじめたのは。
それからというものの、「エアコンのリモコンがきかない」とか「スマホのイヤホンを落として見当たらない」とか「布団カバーのチャックが噛んだ」とか、バレバレな理由付けでおびき寄せるようになった。
昨日は、なんだっけ。
「引き出しが閉まらない」
だったかな。
ベッド下の引き出し、閉まってたけど。
次はどんな理由付けをしてくるか、ちょっと楽しみだったりする。
「ふふ、ふーん、ふ〜ん」
隣から、ハズれた鼻歌が聞こえてきた。
何の歌か、さっぱり分からなくて笑える。
お腹も空いたし、起きるか。
ベッド下の収納に手を伸ばし、とりあえずのTシャツと、下着を付ける。
扉を開けると、ダイニングに朝ごはんを並べている佳佑が見えた。
「え、早くね?」
ありえない時間に起きた汐里に、少し驚いている。
「...おはよ」
「おー、おはよう。たなっちも、もう食べる?」
「うん。食べる」
昨日、激しく動いたからか、めちゃくちゃお腹が空いてる。
お味噌汁のいい匂いも。
汐里は、ベッドの中で寝返りを打つ。
いつもなら目が覚めない時間だろうとは思うけど、何時だろう。
手探りでベッドの棚にあるスマホを探す。
まだ6時前だ。
でもなんだか目が冴えちゃった。
このところ、なんだかんだと早めの時間に、佳佑にベッドに誘われる。
いっちばん初めは、「パジャマが見当たらない」だった。
朝洗ったパジャマが、部屋干しでは梅雨のこのシーズンで乾き切ってなくて。
替えにしているパジャマの場所が分からないとかで。
パジャマというか、普通のTシャツだし。
どれでもいいと思うんだけど、佳佑的にはこだわりがあるらしい。
たしかにその特徴のTシャツは、汐里が畳んで、ベッド下の収納へ仕舞った。
風呂上がりでパンツ姿の佳佑を引き連れて、寝室へ行ったからか。
Tシャツを探し出した頃には、ベッドに引き入れられていた。
汐里は、まだ風呂にも入ってなくて。
台所の洗い物の途中だったのに。
次々と佳佑が繰り出すヘンテコな言い訳に、汐里も笑ってしまって、ふざけ合いながらコトに及んだ。
ああ、あの頃からかもしれない。
佳佑が、何だか楽しみを見出しはじめたのは。
それからというものの、「エアコンのリモコンがきかない」とか「スマホのイヤホンを落として見当たらない」とか「布団カバーのチャックが噛んだ」とか、バレバレな理由付けでおびき寄せるようになった。
昨日は、なんだっけ。
「引き出しが閉まらない」
だったかな。
ベッド下の引き出し、閉まってたけど。
次はどんな理由付けをしてくるか、ちょっと楽しみだったりする。
「ふふ、ふーん、ふ〜ん」
隣から、ハズれた鼻歌が聞こえてきた。
何の歌か、さっぱり分からなくて笑える。
お腹も空いたし、起きるか。
ベッド下の収納に手を伸ばし、とりあえずのTシャツと、下着を付ける。
扉を開けると、ダイニングに朝ごはんを並べている佳佑が見えた。
「え、早くね?」
ありえない時間に起きた汐里に、少し驚いている。
「...おはよ」
「おー、おはよう。たなっちも、もう食べる?」
「うん。食べる」
昨日、激しく動いたからか、めちゃくちゃお腹が空いてる。