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そぶりをやめて
第1章 0日婚 ~当日
「ってコトはさあ、今日が初夜?きゃっ」
「ちょ!ゆーちょーにウチらと話してていいの?」
「え、いや...」
「そうよ、一緒お風呂行って来たら~」
「えー。初Hが、風呂ってどうよ?」
「そう?私、ダンナとのハジメテはお風呂だった気がする。ラブホのだけど」

盛り上がる2人に、どう突っ込んでいいやら。
2週間前の、アノ日に、イタすことはイタしたのだけど...。

「...まだ話してんの」
「ぎゃ!!」

風呂上がりの佳佑からイキナリ声がかかって、飛び上がるほど驚く。

2週間前のコトをめぐらしかけて本人が登場したので、心臓のハネ上がりがハンパない。

何を話していたのか想像がついたのだろう、呆れるように冷蔵庫からまたお茶を出している。

「ぎゃ、って。風呂、冷めるぞ」
「ああ、うん。入る入る」
「あらあら。私たちお邪魔みたいね」
「また聞かせてねー!クワシクね!」
「あ、じゃあ。また」

冷や汗を滲ませながらパソコンを閉じ、元あった場所へと戻す。

その間に佳佑は飲んでいたコップを洗っている。
微妙な沈黙に、台所の水を流す音が響いている。

「じゃ、おやすみー」

コップを片づけた佳佑が、スタスタとリビングの隣にある寝室に消えていった。

「...うん。おやすみ...」


めっちゃ普通だった...。

風呂に浸かりながら、汐里は考えをめぐらす。

ジツは2週間前のあの日1回、シタだけで。
それから、2回ぐらいしか会ってないし。
そのどちらも、そんな雰囲気にもならなかったし。

今日はさすがに、スルのだろうか。

と思っていたけど...。

あの様子じゃナイな!!!


大体、あの時の1回も「イタせるかどうか」お試しというか。
実験というか。

汐里的には、結婚イコール子どもが欲しい!ってのがあった。
年齢的にも時間の余裕はあまりなくて、その意味でも結婚を急ぐのは大歓迎ではあった。
そこは佳佑も納得していて。

そこを乗り越えれるかどうか、で最終的には結婚を決めよう、ってなってー。

小学生から知ってる仲でそういうことをすることが、気恥ずかしくて。

そういうホテルに行くのも、何だかということで。
佳佑が1人泊まるつもりで予約していた駅前のビジネスホテルの、狭いワンルームのセミダブルのベッドで、コトに及んだ。
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